韓国政府、今年の大学医学部増員「裁判所ハードル」越えた(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.05.17 14:07
医大生など医療界が政府の大学医学部定員拡大計画の撤回を求めて出した申請を裁判所は受け入れなかった。「医学部増員を通した『医療改革』という公共の福利に重大な影響を及ぼす懸念がある」という理由でだ。ソウル高裁行政7部は16日、釜山大医学部在学生5人、延世大大学病院専門医3人、ソウル大医学部教授4人、ソウル大医学部準備生6人が集まって保健福祉部長官と教育部長官を相手にした執行停止申請抗告審に対して医大生が出した申請を棄却し、残りの専門医・教授・受験生が出した申請は却下すると明らかにした。
裁判部は医療界の手をあげる場合、必須医療・地域医療回復などのための必須前提である医学部定員増加に大きな支障をもたらすことを懸念した。裁判部は決定文で「現在わが国の医療の質自体は優秀だが、必要なところで医師の適切な需給がうまくいかず必須医療・地域医療が相当な困難に直面している」と診断した。医療危機の原因の一つを医師需給の失敗から見いだしたのだ。裁判部は「少なくとも必須医療・地域医療の回復・改善のための基礎ないし前提として、医学部の定員を増員する必要性自体は否定しがたいとみられる」と説明した。医療界は「医師の不足ではなく配置がうまくいかないため」と主張する。しかし裁判部は立場が違った。決定文で「こうした状況(医療危機)を単に現在の医師人員を再配置するだけで容易に解決できると断定するのは難しいとみられる」と説明した。