中国政府と関係があるサイバーグループが人工知能（ＡＩ）で作られた虚偽操作情報を利用して韓国の選挙に影響力を行使する可能性があると、マイクロソフト（ＭＳ）が警告した。特にＭＳはこれらグループが福島原発汚染水問題に関連して韓国語のコンテンツを広め、韓国国内の分裂を助長したと分析した。

５日（現地時間）のガーディアンなどによると、ＭＳ脅威分析センター（ＭＴＡＣ）は中国が年内に韓国・米国・インドで行われる選挙に関連し、自国に有利な内容のＡＩ基盤コンテンツを制作して広めるだろうと予想した。ＭＴＡＣは「中国のサイバー行為者ら、一部は北朝鮮の行為者もこうした選挙を標的にするはず」と明らかにした。

報告書はその根拠として、中国共産党と関係がある団体のうちＡＩコンテンツを最もよく使用するグループの最近の活動事例を紹介した。

ＭＴＡＣによると、「ストーム１３７６」という名のこのグループは１７５件のウェブサイトで５８言語で活動しているが、韓国もその主要「ターゲット」の一つだった。ＭＴＡＣはストーム１３７６が福島第１原発の汚染水海洋放出に関連し「韓国で広がる反対デモを増幅させる現地化されたコンテンツと、日本政府に批判的なコンテンツで韓国を狙うために力を注いだ」と評価した。

こうした活動には「カカオストーリー、Ｔｉｓｔｏｒｙ、Ｖｅｌｏｇのような韓国のソーシャルメディアサイトを含む複数のプラットホームとウェブサイトに数百件の韓国語掲示物を載せることが含まれた」とＭＴＡＣは説明した。

またＭＴＡＣは「ストーム１３７６はこの標的化されたキャンペーンで、李在明（イ・ジェミョン）共に民主党（最大野党）代表の発言と行動を積極的に増幅させた」とし「李代表は日本の措置を『汚染水テロ』であり『第２の太平洋戦争』に匹敵する批判した」と説明した。続いて報告書に掲載したミーム画面の下に「ブログプラットホームＴｉｓｔｏｒｙに載せられた韓国語ミームが福島汚染水放流に関連して分裂を助長した」という説明を付けた。

報告書は北朝鮮のサイバー脅威動向も分析した。ＭＴＡＣは「北朝鮮のサイバー脅威行為者らは２０２３年に数億ドル相当の暗号資産を盗み出し、ソフトウェアサプライチェーン攻撃を遂行し、彼らが国家安保の敵と認識するところを標的にした」と伝えた。

これら活動は「北朝鮮政権と特に（北朝鮮の）武器プログラムのための収益を創出し、韓国・米国・日本に対する情報を収集する」とＭＴＡＣは説明した。

ＭＴＡＣは北朝鮮の行為者が米国と韓国の航空宇宙・防衛機関を目標とし、外交官や政府、シンクタンクと非政府組織（ＮＧＯ）、メディア、教育分野の朝鮮半島専門家を相手に監視活動をしたり情報を盗んだりする「スピアフィッシング」をしたと付け加えた。

また報告書はストーム１３７６が１月の台湾総統選挙期間に活発に活動し、ＡＩで作成した虚偽操作情報を集中流布したと把握した。ストーム１３７６は頼清徳候補に関連し、ＡＩニュースアンカーなどを利用して「国庫を横領した」「隠し子がいる」という虚偽情報を広めた。このＡＩニュースアンカーはＴｉｋ　Ｔｏｋの親企業バイトダンスが開発したツールで作られたと、報告書は伝えた。