【コラム】テスラとエヌビディア、バブルとブームの間
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.27 11:31
このところ米ウォール街では電気自動車メーカーのテスラが袋だたきの状況だ。今年初めに248ドルに達した株価が最近は172ドル水準まで大きく落ち込んだ。今年に入り30%ほど下落した。米投資銀行のウェルズ・ファーゴはテスラに対し「成長のない成長株」と酷評した。その上で投資判断を従来の「ニュートラル」から「アンダーウエート」に調整した。目標株価も200ドルから125ドルに37.5%も下げた。UBSも目標株価を225ドルから165ドルに下げた。もちろんテスラが過度に低く評価されているとして「いまはタオルを投げる時ではない」という専門家もいるが、昨年とは雰囲気が全く異なる。テスラに対して投資判断を提示したウォール街のアナリスト50人のうち36%の18人だけ株式を買うべきとする意見を出した。米投資メディアのバランスは「CEOリスク」が大きくなっているとし、テスラが今後30%さらに落ち込みかねないと警告したりもした。
昨年までもテスラは海外株式投資家の希望だった。年初108ドルにすぎなかった株価は1年間で248ドルと1.3倍の上昇となった。当時販売不振の恐れがあったテスラは積極的な割引で世界の電気自動車市場に価格競争の燃料を投じて火を付けた。在庫を処理するための苦肉の策だが効果は良い方だった。営業利益率は以前より低くなったが自動車業界と比較すると上位に属した。昨年の電気自動車引き渡し量は前年より38%増えた181万台を記録した。実績は薄氷を歩く雰囲気で株価はジェットコースターのように変動性が激しかったが、積極的な個人投資家のおかげで株価は概ね高止まりした。これに対し、「FOMO(Fear of Missing Out)」に陥った投資家のためという分析が出てきた。取り残される不安のために個人投資家の追撃買いが続いたという診断だ。