◇エサやり禁止法通過…動物団体「餓死政策だ」反発

このような中、昨年１２月２０日いわゆる「エサやり禁止法」（野生生物保護および管理に関する法律改正案）が国会を通過した。これに伴い、今年１２月からは地方自治体が条例を通じて特定地域で特定期間にハトなどにエサを与えれば過怠金を賦課できるようになった。

環境団体はこれを「すでに都心エコシステムによって人間に依存しているハトを飢え死にさせようという決定」としながら個体数調節のためには他の案を用意しなければなければならないと主張した。動物自由連帯のチェ・イルテク政策局長は「人間の不便を解消するために人間が持ってきた動物の生存権を剥奪するのではなく、共存のための方法を探さなければならない」と話した。

ハト不妊飼料を導入し、ハトに飢える苦痛を与えないようにして個体数を減らすべきだという主張も出ている。実際、２０１７年から２０１９年にかけてスペイン・バルセロナの公共場所３４カ所に不妊飼料をまく自動給与器を設置した結果、２０１９年末ハトの個体数が５５％に減ったという研究結果もある。韓国動物保護連合のイ・ウォンボク代表は「ハトも空腹による苦痛を感じる。すでに効果が確認された不妊飼料の導入を開かれた見解で検討しなければならない」とした。

これに対して環境部は「不妊飼料をハトではない他の動物が食べる場合もあり、エコシステムにどのような影響を与えるのか確認されたものがなく、中長期的な研究が必要だ」という立場だ。エサやり禁止が「餓死政策」という批判に対しても環境当局の立場は違う。国立生物資源館のチェ・ユソン研究士は「都心に住むスズメなど多くの鳥類が人間の助けなく生存し、個体数がうまく調節されている。ハトもそのように生存してこそ生態的にバランスを保つことができる」と説明した。

◇進撃のイエバトに野生のカワラバトの保存困難

韓国に１００羽余りが残った野生留鳥のカワラバト（絶滅危機２級）保存のためにもイエバトを退治しなければならないという主張もある。イエバトとは違って野生のカワラバトは棲息地を失って個体数が急減した。ここにカワラバトがイエバトとの競争で負けたり、共存することで混種が増えたりして保存がさらに難しくなったという。チェ氏は「生態的にはイエバトを保護しなければならない理由がない状況」と説明した。

◇「ワシの写真では効果ない」環境部が勧告したハト退治法

環境部は地方自治体に配布したイエバト対処ガイドラインで苦情が頻発する地域ではエサをやらず、残飯を十分管理するよう求める案内文を設置するよう助言した。また、鳥類忌避薬・視覚的装置（猛禽類の模型）など、退治用手段を講じた後も被害が発生する場合、専門家と協議してハトの卵除去、捕獲手続きを立てるよう勧告している。捕獲されたハトは安楽死させられる。

合井駅に貼り出した「ワシの写真」は退治効果が薄い可能性が高いというのが専門家の意見だ。チェ氏は「最初はハトが写真を見て驚くかもしれないが、動かなければハトの退治効果はないだろう」と話した。

ワシの写真まで登場させた「ハト」戦争…ソウルで苦情が３倍まで急増＝韓国（１）