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「韓国版NASA」宇宙庁5月発足…中途半端な指令塔の懸念(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2024.01.28 11:07
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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の大統領選挙公約だった宇宙航空庁設置と運営に関する特別法案が9日に国会本会議を通過したのに続き23日に閣議を通過した。これにより韓国版NASA(米航空宇宙局)と呼ばれる宇宙航空庁の設立が確定した。1958年に創設されたNASAは非軍事的な宇宙開発をすべて管轄し総合的な宇宙計画を推進する。ソウル大学航空宇宙工学科のキム・スンジョ名誉教授は「経済性がある宇宙産業と米民間宇宙企業スペースXのような先鋒の育成に向け宇宙航空庁は必須」と話した。

◇「政府機能を段階的に宇宙庁に移管」

 
科学技術情報通信部の発表によると、宇宙航空庁開庁時期は5月、場所は慶尚南道泗川(キョンサンナムド・サチョン)だ。関連予算は8000億ウォン(約886億円)、人材は研究200人、行政100人の300人規模だ。韓国政府は宇宙航空庁を中心に▽革新宇宙航空企業2000社以上育成▽50万件の雇用創出▽2045年に国内宇宙産業市場規模420兆ウォンの達成を通じた世界5大宇宙大国入りなどを成し遂げると明らかにした。科学技術情報通信部の李宗昊(イ・ジョンホ)長官は、「宇宙航空庁は(韓国が)2032年の月着陸、2045年の火星探査という目標達成を通じて世界的宇宙大国へと跳躍する偉大な足取りの始まり」と強調した。

宇宙航空庁設立はこれまで韓国の科学・産業界の宿願事業だった。宇宙産業のコントロールタワーができれば関連生態系構築と技術競争力向上に弾みをつけられるという期待のためだ。特に専門家らは米国など先進国のように民間主導の宇宙産業発展を体系化できるようになったことに大きな期待を示している。KAIST航空宇宙工学科のパン・ヒョチュン 教授は「過去に米国とソ連の覇権競争の手段に限定されていた世界の宇宙産業は21世紀に入り民間主導で成長、先進国型高付加価値創出産業へと進化を続けている。宇宙産業分野で共同研究開発の体系化が急がれたが、宇宙航空庁を通じて速度感ある政策推進が可能になる」と期待した。

特に宇宙産業は外交・安保・国防などの分野とも直結しており「総合的な」政策推進が必要なのでコントロールタワーが必須だ。これまで韓国の宇宙産業は科学技術情報通信部と産業通商資源部など政府官庁が役割を分担して戦略をまとめ、韓国航空宇宙研究院と韓国天文研究院などの国策研究機関が研究開発にまい進する方式で発展した。だが宇宙航空庁が設立されれば科学技術情報通信部と産業通商資源部の宇宙関連事務はほとんどが宇宙航空庁に移管され、航空宇宙研究院と天文研は宇宙航空庁の傘下機関に編入される予定だ。

この地点で一部では宇宙航空庁が場合によっては「中途半端なコントロールタワー」に転落しかねないとの懸念を提起する。外交・安保・国防分野の政策主体である外交部と国防部、航空政策と規制を担当する国土交通部の宇宙関連事務は宇宙航空庁の業務範囲から除外され移管が不発に終わったためだ。宇宙航空庁が科学・技術・産業だけでなく外交・安保・国防分野で直接状況を調整し宇宙産業発展の難点を解決しなくてはならないが、これに対する疑問符が付くということだ。例えば宇宙産業の核心商用技術である衛星は国防でもとても重要な分野だ。だがこのまま宇宙航空庁が設置されれば商用衛星技術は宇宙航空庁が、軍事衛星技術は国防部が担当する形に分かれるほかない。一貫した政策推進と関連研究開発が難しくなる公算が大きい。

外交でもNASAなどとの国際協力業務を宇宙航空庁が遂行しなくてはならないが、外交部の宇宙関連機能移管がなければ外交部と宇宙航空庁が同じ事案をめぐり異なる意見を出す可能性が大きい。国策研究機関では宇宙政策関連で重要な役割をする科学技術政策研究院(STEPI)国家宇宙政策研究センターの宇宙航空庁編入が不発となり同様の懸念をもたらしている。宇宙航空庁を誘致した慶尚南道は問題提起に出た。朴完洙(パク・ワンス)知事は23日、「宇宙航空庁が韓国の宇宙産業のコントロールタワーの役割をしっかりと遂行するには外交部・国防部・国土交通部の宇宙関連機能だけでなく、STEPIなど傘下機関の研究機能すべてを持ってこなければならない」と強調した。

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