西側が戦争によって戒厳状態のウクライナに来年大統領選挙を実施しなくてはならないと圧迫している。ゼレンスキー大統領の再選出馬に関心が集まっている中で、ゼレンシカ夫人は条件付き不出馬に言及した。ゼレンスキー大統領はロシア侵攻以降に見せた指導力で西側から賛辞を受けたが、最近友好国に対する行き過ぎた批判で好感を失っている状況だ。

２４日（現地時間）、米ワシントン・ポスト（ＷＰ）によると、ウクライナは昨年２月末の開戦以降延長されている戒厳令によって選挙が禁止された状況だが、西側では大統領選挙と総選挙を実施するよう圧力を加えている。当初ウクライナでは今年１０月の総選挙に続き来年３月の大統領選挙が予定されていた。

これに先立ち、５月欧州評議会議員会議（ＰＡＣＥ）のティニー・コックス代表は今年初めに大震災に襲われた後も大統領選挙を行ったトルコ（テュルキエ）の事例を挙げて「ウクライナも『自由で公正な』選挙をするべきだ」と主張した。８月、米共和党所属リンゼー・グラム上院議員もキーウを訪れて「ウクライナが民主主義の発展のための次の段階を見せるために来年の大統領選挙が予定通りに行われなければならない」と話した。ＷＰは西側がこのように圧力を加える背景にはウクライナの民主主義に対する意志を確認しようとする狙いがあると分析した。

ウクライナには戦時に選挙を行うのはリスク負担が大きいという立場が支配的だ。ウクライナ保安当局関係者はロシアが選挙過程に浸透して社会分裂を助長する恐れがあると指摘して「戦争中に民主的な選挙が可能な状況はない」と話した。ウクライナ元首相のユーリヤ・ティモシェンコ氏も選挙中に発生する政治的異見は国家団結を台無しにしてしまうと言いながら「戦時選挙の代償は戦争の敗北」と主張した。

しかし西側からの武器・財政支援に大きく依存しているウクライナとしては西側の圧迫を無視することは難しいとＷＰは評価した。ゼレンスキー大統領も先月西側の財政支援があれば戦時選挙が可能だと述べた。

ゼレンスキー大統領の再選出馬は有力とみられる。開戦以降、ゼレンスキー大統領のウクライナ内支持率は引き続き高い。グローバル市場調査機関「Ｓｔａｔｉｓｔａ」によると、今年２月には支持率が９０％を超えた。ただし西側ではゼレンスキー大統領に対する支持が昨年と同じくらい強力ではないとみている。特に最近、ゼレンスキー大統領の度を越した友邦批判が禍根になっているとウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）はこの日、報じた。

ゼレンスキー大統領は１９日の国連総会演説で自国産穀物輸出問題で葛藤があった一部の欧州国家（ポーランド・スロバキア・ハンガリーなど）に対して「政治的に我々を支持すると言いながら実際にはロシアの肩を持っている」と非難した。これに対してウクライナの最も大きな友好国を自任していたポーランドは怒りをあらわにした。モラヴィエツキ首相は「ポーランド人を冒とくしてはならない」とし、ウクライナに武器を支援できない場合もあるという意中を表わした。

ゼレンスキー大統領は７月には北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議で、西側がＮＡＴＯ加入日程を明示しないため、ソーシャルメディア（ＳＮＳ）に「前例がなく、あり得ない」と強い不満を示した。これに対してバイデン米国大統領や米当局者が彼の態度に深い失望感を感じ、ＮＡＴＯ首脳会議共同声明からウクライナ加入問題に対する言及を削除しようとした。

ウクライナの強力な友邦である英国のウォーレス元国防長官も７月、ウクライナが世界最大ＥＣサイト「Ａｍａｚｏｎ」でショッピングするように西側国家から武器支援を急き立てると言いながらやや無礼だと指摘した。ＷＳＪは「ゼレンスキー大統領は直接的な話法で西側世論を味方にして自国で驚くような支持を得たが、他の世界指導者を危険に陥れて友好国の不満を買っている」としながら「彼には外交的手腕があるが、繰り返し度を越している」と指摘した。

西側の確実な支持がないならゼレンスキー大統領の再選出馬は順調でない場合もある。ゼレンシカ夫人はこの日報道された米国ＣＢＳ放送時事番組『Ｆａｃｅ　ｔｈｅ　Ｎａｔｉｏｎ』のインタビューでゼレンスキー大統領の再選挑戦に関する質問に「我々社会がこれ以上彼に大統領になってほしいと思わなければ、彼はおそらく出馬しないだろう」と話した。ただしゼレンスキー大統領が再出馬を決心するならば「すでに大統領選挙を経験したことがあるので、最初のように恐れることはないだろう」と付け加えた。