アニメ『すずめの戸締まり』、韓国で公開された日本映画で興行1位「カウントダウン」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.11 08:48
特に災害を扱った「3部作」と呼ばれる最近の3本の映画は以前とは違った爆発的な反応を得て新海監督の作品世界を拡張させた。失敗したロマンス、すれ違った関係から始まる儚い感性を繊細に描いた新海監督の視野が広くなる決定的契機は2011年東日本大震災だった。「アウシュビッツ以降、叙情詩を書くのは野蛮」と語ったドイツ哲学者アドルノのように、これもまた人類史的悲劇を目撃した後、芸術家的責務に目を開き、巨大災難が荒廃化させた現実で私たちは果たして何をするべきかという話題を作品に込め始めた。
その始まりともいえる『君の名は。』は東日本大震災に対するメタファー(隠喩)だ。時間を超えてなんとかして災害を食い止めようと孤軍奮闘する2人の主人公の強い意志に全世界が呼応した。特に韓国人観客が強く共感した理由は、新海監督も直接明らかにしたようにセウォル号事件との接点があるためだった。「安心して静かにしていなさい」というセリフは彼がセウォル号事件に影響を受けて取り入れたものだった。