韓国に来たウクライナ避難民「夫まだ来ていないのにもうすぐ出産…先が暗い」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.02.03 14:06
◇仕事を探しに出かけて亡くなった母親…葬儀もまともにできず
4カ月前に韓国に避難したウクライナ人のキム・イリーナさん(35)は先月30日、母親を失った。仕事を探すと言って家を出たが、急性脳出血で倒れて病院に運ばれたが意識は戻らなかった。悲しみはここで終わらなかった。お金がなくて葬儀をすることができなかった。母親の遺体は病院冷凍庫に安置しておくほかなかった。韓国に来た後、仕事を見つけることができず、持っていたお金も底をついた。無国籍高麗人なのでG1ビザの発給を受けたため、求職活動も難しかった。度重なる挫折で故国に戻る考えもしてみたが、それすらも思い通りにいかない。韓国とウクライナを行き来する飛行路線が切れた状況でパスポートがない無国籍高麗人が飛行機に乗ることは難しい状況だ。キム・イリーナさんを助けている別の高麗人女性は「医療費や住居費の負担も厳しいが、ウクライナに戻ることも難しく、韓国で助けを乞う場所もない絶望的な状況」と伝えた。
こうした避難民の事情が知らされると法務部は先月30日、ウクライナから来た無国籍高麗人のG1ビザを旅券なく更新することができるようにした。国内にもう少し長く滞在できるように道を開いたのだ。法務部によると、昨年12月基準でウクライナ国籍の長・短期滞留者は5205人で、このうち同胞が3438人だ。統計に含まれなかったウクライナ無国籍高麗人も200~300人ほどになると推定される。ほとんどが1991年にソ連が崩壊した後に国籍を失って回復申請期間を逃した人々の子孫だ。法務部は昨年2月戦争勃発以降、ウクライナから少なくとも3000人余りが韓国に入ってきたとみている。これに伴い「ウクライナ避難民に対する制度的支援が切実だ」という声が高まっている。