【中央時評】北朝鮮の戦術核脅威への対処(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.26 14:12
北朝鮮が今月初めに実施した7回のミサイル発射は新たな次元の挑発だった。ミサイル開発実験ではなく、戦術核部隊が実施した核攻撃訓練だった。韓国内の指揮本部、空港が主打撃目標だった。日本と領域内の米軍基地も打撃対象だった。北朝鮮が攻撃的な核武器使用指針を法制化した後に実施した訓練であり、金正恩(キム・ジョンウン)が指導した。北朝鮮のメッセージは明白だった。韓国に対する威嚇程度を大幅に高め、米国と日本に対して打撃力も見せることによって、有事の際には米国と日本の支援を牽制(けんせい)しようとするのが狙いだった。核威嚇を通じて韓日米を引き裂こうとするものだ。このような状況で、韓国では対処方案に対する論争が広がっている。ところで議論は非現実的な代案ばかりが行ったり来たりしていて混乱する。国論を取りまとめるために論争を点検する必要があるということだ。
北朝鮮の形態への対処の大きな枠組みは、一次的には抑制力の強化でその次は外交空間の摸索であろう。この2つは相互に配置されるので両者間の微妙なバランスに留意しなければならない。もちろん今は抑止力の強化が先だ。このような前提下で優先することは韓国の自己対応力を高めて韓米連合戦力を確認し、抑止力を強化することだ。さらに、核に対する抑制を在来式戦力ですべて対応することはできないので核抑制力が必要だ。それでも韓国の核開発が代案にはなりえない。国際社会の制裁を覚悟しないといけないが、韓国のように対外貿易依存度の高い国は制裁に耐えられない。制裁に対抗するには国民的な団結があるべきだが、韓国内の葛藤が激しい状況でこれを期待することはできない。