【コラム】教科書からなぜ「自由競争」表現を抜くのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.28 14:37
小中高校の「2022年改訂教育課程」試案から自由市場経済の核心概念である「自由競争」という表現が削除された。この試案は文在寅(ムン・ジェイン)政権が構成した政策研究陣が作ったものだ。これに先立ち公開された「韓国史教育課程」試案からは「自由民主主義」「6・25南侵」の表現が消えて歴史論争を呼んだが、経済分野でも大韓民国のアイデンティティーを揺さぶる動きが出ているのではないか心配だ。
変わった内容はこうだ。従来の小学校の社会教科書(6年)には「自由競争と経済正義の調和を追求するわが国の経済体制の特徴を説明する」と記述していたが、改訂教育課程には「市場経済で家計と企業の役割を理解し、労働者の権利と企業の社会的責任を探索する」となっている。「自由競争」という部分が削除され、労働者の権利と企業の責任を強調する言葉が含まれた。
中学校の社会教科書(3年)でも「自由市場経済で企業の役割と社会的責任を理解し…」という部分から「自由市場経済」という言葉が消えた。反面、高校の教養課程の「人間と経済活動」では所得分配を強調する内容が新しく入った。