【コラム】「教科書を支配する者は未来を支配する」…続く歴史戦争=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.21 14:29
韓国教育部が先月30日、2022年教育課程改訂試案を発表した。2025年から一線の学校に適用される新しい教育課程の概要を提示したのだ。まだ試案の段階だが、所定の手続きを踏んで教科書執筆の基準、そして実際の教育現場での授業指針となる。今回もいつものように韓国史科目の試案をめぐり論争が続いた。▼2018年の教育課程に含まれていた「6・25(朝鮮戦争)南侵」に関する記述が消え▼「自由民主主義」という用語が「自由」を抜いた「民主主義」になった点を指摘する新聞の社説も続いた。大韓民国の基本価値やアイデンティティー論争につながりかねない部分であり、教育部も広範囲の意見を集めると明らかにした。どれほどそのような意見が反映されるかは見守る必要があるが、教育部の試案の問題はその2つがすべてではなかった。
2019年11月に教育部の検定を通過して現在使用されている高校の国史教科書の場合、全体5つの単元のうち4つが開港期以降の近代・現代史に割かれている。ページ分量では75%ほどだ。まだ歴史というには近い2018年の板門店(パンムンジョム)宣言までが写真と共に登場する。検定を通過した教科書9種類が大同小異だ。一方、先史時代から朝鮮時代までの歴史は「前近代韓国史の理解」という1つの単元に縮約されている。こうした傾向は2022年の教課改定でさらに強化される見込みだ。