現職部長検事がある事業家から金品を受け取った容疑で警察の捜査を受けている中で、尹錫悦（ユン・ソクヨル）前検察総長の報道官だったイ・ドンフン前朝鮮日報論説委員も関連捜査の対象に含まれたことが分かった。

２９日、中央日報の取材を総合すると、ソウル警察庁強力犯罪捜査隊は最近イ氏を不正請託および金品等授受の禁止に関する法律（請託禁止法）違反容疑で立件した。警察は詐欺・横領などの容疑で捜査していた水産業者Ａさんから李氏に金品を提供したという陳述を確保したと伝えられた。金品を提供された当時、李氏は現職ジャーナリストだった。中央日報は李氏の立場を聞こうと連絡を取ったが携帯電話の電源がオフになっていてつながらなかった。

Ａさんは野党圏有力政治家の兄に対して巨額の詐欺を働いた容疑で拘束された状態だ。警察などによると、Ａさんは昨年５月に生活体育団体会長に就任した。就任式関連の報道には李氏が行事に出席したと出ている。

これに先立つ２８日、警察はＡさんが現職ソウル南部地検Ｂ部長検事に金品などを提供した情況をつかんで、Ｂ部長検事の事務室に家宅捜査に入った。Ｂ部長検事は最近断行された検察中間幹部級人事で地方の検察庁の副部長検事に左遷された。

法曹界などによると、Ｂ部長検事に対する召喚調査はまだ行われていない。警察はＢ部長検事が受け取った金品に対価性があったか調べているという。あわせてＡさんが懇意にしていると陳述した他の警察幹部などに対しても捜査している。請託禁止法によると、公職者は理由を問わず１回１００万ウォン（約９万７７００円）を超えるか、一会計年度に３００万ウォンを超える金品を受け取ってはいけない。

政界では李氏の報道官職辞退の背景に警察捜査があったのではないのかという推測が出ている。今月１０日、尹氏の最初の報道官を引き受けた李氏はそれから１０日後の２０日、「一身上の理由で辞任する」として職を離れた。この日、尹氏側は「李氏の報道官辞退の事由に関連し、報道された内容は尹錫悦キャンプでは事前に知らなかった」という立場を明らかにした。