職員に対する強制醜行の疑いなどで起訴された呉巨敦（オ・ゴドン）前釜山（プサン）市長に対し、裁判所が２９日、懲役３年を言い渡した。呉前市長は法廷で拘束された。

釜山地裁はこの日午前、強制醜行などの容疑で起訴された呉前市長に対する宣告公判で「強制醜行、強制醜行未遂、強制醜行致傷、誣告の容疑が認められる」とし、懲役３年を言い渡した。また４０時間の性暴力治療プログラムの履修、児童青少年関連機関と障害者福祉施設関連機関への就職制限５年を命令した。

釜山地裁は「この事件は被告人が被害者に対してはるかに優越な地位を利用、権力による性暴力に該当する」と明らかにした。続いて「被害者の心情は凄惨であり、私を含む我々の社会が感じた感情は惨憺たるもの」とし「被告人はわが国の社会で前に立って導く人であり、被害者はもちろん我々の社会構成員の心をまず考慮しなければならなかった」と述べた。そして「政治が入るところがない事件だったため政治的なものとは関係がない」とし「苦痛を受けてはならない人がまだ苦痛を受けている。もう少し共感し、自制することを強く願う」と強調した。

争点となった強制醜行致傷罪に関連しては検察の主張を認めた。釜山地裁は「被害者は自分が勤務する組織のトップの被告人から業務遂行中の無防備状態で突然この事件にあい、極めてに恥辱的で精神的な衝撃が相当なものと認められ、傷として残った」とし「さらに社会的な関心が高く、捜査の長期化で被害者の苦痛がさらに大きくなったと予想され、外傷後ストレス症候群（ＰＴＳ）が認められる」とした。

検察は先週開かれた結審公判で呉前市長に懲役７年を求刑した。呉前市長の初公判は当初３月２３日に予定されていたが、４・７補欠選挙以降に延期された後、準備期日を経て今月１日に初公判が開かれた。続いて８日が結審公判日だったが、呉前市長側が量刑調査を申請して２１日に延期され、この日、判決公判が開かれた。

呉前市長は２０１８年１１月ごろ釜山市庁の職員Ａに強制醜行をし、同年１２月にも醜行未遂があったとして起訴された。また、昨年４月には市長の執務室で職員Ｂ氏に醜行をし、この職員に外傷後ストレス障害など傷害を負わせた疑い（強制醜行致傷）も受けている。２０１９年１０月には釜山警察庁にユーチューバーが虚偽「＃Ｍｅ　Ｔｏｏ」疑惑を提起したという趣旨の虚偽告訴状を提出した容疑もある。

呉市長は昨年４・１５総選挙直後の４月２３日にセクハラを告白して市長職を辞任した。