トランプ政権で初代大統領補佐官（国家安全保障対象）を務めたハーバート・マクマスター氏が、バイデン政権に北朝鮮への圧力を強調しながらも、「北朝鮮が非核化を拒否しない限り、金正恩（キム・ジョンウン）政権除去は米国の政策目標でないという点を明確にすべきだ」と助言した。

退任後、スタンフォード大フーバー研究所の研究員となったマクマスター氏は２日（現地時間）、米上院軍事委員会が開いた公聴会で書面資料を通じてこのように伝えた。

マクマスター氏は「北朝鮮政権が世界に重大な脅威にならないようにするためのいくつか外交的な努力は失敗と失望を招いた」とし、外交的失敗の背景に金日成（キム・イルソン）一家３代の世襲過程で２つの誤った仮定が作用したという見方を示した。

マクマスター氏は、「太陽政策と呼ばれる北朝鮮開放が政権の本質を変えるという虚しい希望」を抱いたり、「金氏政権は持続不可能であり、核兵器と長距離ミサイルを開発して配備する前に崩壊するという考え」に基づいて対北朝鮮政策を展開したことで失敗したと指摘した。

続いて「米国と同盟国の指導者は、金正恩委員長が非核化を拒否しない限り金正恩政権の除去は米国の政策目標でないという点を明確にすべき」とし「３つの原則に基づき最大圧力戦略を立てる必要がある」と主張した。３つの原則とは▼北朝鮮を交渉テーブルに戻らせるための象徴的な合意や補償に対する拒否▼北朝鮮の貿易量の９５％を占める中国が制裁を履行するよう説得▼必要なら対北朝鮮軍事力を使用するという意志と能力を見せること－－だ。

特に軍事的圧力に関しては「外交の成功ためには軍事訓練と、北朝鮮の侵略への迅速かつ圧倒的な対応のための準備が極めて重要だ」と強調した。