【コラム】自爆の時代=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.09 12:09
それは自爆だった。正義の最後の砦が崩れていた。大法院(最高裁)院長と高裁部長判事の赤裸々な真実攻防に多くの国民が唖然としただろう。エリート判事が作った音声データをめぐる波紋は法曹界の裏側の「不都合な真実」に慣れている記者らにも衝撃的だった。いったいどこから間違っていたのか、整理するのも、受け止めるのも大変な「総体的難局」が繰り広げられている。
難局に至る過程はサイトカインストームを思い起こさせる。新型コロナウイルスの死亡率を高めるというこの症状は、体に浸透したウイルスに対抗する免疫作用が多すぎて正常な細胞まで攻撃する現象をいう。細胞と細胞の間でシグナルを伝達し免疫細胞を活性化する免疫たんぱく質サイトカインの誤作動作動エラーが原因だ。過剰生産された白血球は味方と敵を区別できない。体全体に炎症反応が起きさまざまな臓器が壊れ命の危険に至る。ウイルスを撃退した純機能がシステムそのものを壊す逆機能に急変する。ホラー映画の反転のような恐ろしい現象だ。