【社説】相次ぐ強引な判決、政権の顔色を伺っているのではないか=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.07.26 11:51
裁判所が納得しがたい判決を出している。今週朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のセクハラ事件をめぐる疑惑を明らかにするために警察が申請した家宅捜索令状が相次いで棄却された。朴前市長の通話内訳を確認しようとする最初の令状棄却は警察の失策もなくはない。すでに「公訴権なし」で終結した死因と関連した内容で令状を埋めたためだ。だが裁判所は朴前市長の携帯電話とソウル市庁事務室に対する捜索令状まで「必要性が足りない」として棄却した。被害者が告訴した事実が流出し、被害者の訴えを握りつぶしてセクハラを幇助した人々が堂々と市庁を掌握しているだけに証拠隠滅の懸念が大きい。それでも証拠確保に向けた家宅捜索が必要でないと考えるのは捜査をせず真実糾明も必要ないという判断と変わらない。
強要未遂容疑が適用されたイ・ドンジェ元チャンネルA記者に対する拘束令状発給事由も納得しがたい。この事件は記者が金融詐欺容疑で服役中のイ・チョル元VIK代表に手紙を送ったり側近に会って与党関係者の不正情報提供を促したというのが骨子だ。この過程で記者が尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長の側近であるハン・ドンフン検事長と組んでイ元代表の家族まで暴くと脅迫した検察とメディアの癒着事件というのが捜査チームと与党陣営の見方だ。これに対しイ記者とハン検事長はイ元代表がMBCと組みカメラまで同行してこうした状況を誘導した「権力とメディアの癒着」と主張する。検察はイ記者とハン検事長の共謀の有無を令状に盛り込むこともできなかった。それでも令状担当判事は「報道機関と検察の信頼回復のため」との理由から拘束令状を出した。「検察幹部とつながって」という表現を通じて検察とメディアの癒着を既定事実と予断することもした。