ラブドールドキュメンタリー・写真、「女性嫌悪」なのか「現実警告」なのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.01.25 14:41
日本でラブドール(成人用人形)で有名な人がいる。中島千滋さん(63)だ。中島さんの狭い家には人と同じ大きさの人形が5体ある。妻と2人の子どもがいる家長ではあるが、家族と別れて暮らす中島さんは、人形を入浴させ、一緒にテレビを見て寝るなど日常を共に過ごしている。最初は性的欲求を満たす目的で人形を買ったと話す中島さんは「人形は私を裏切らないからいい」と話す。
韓国の国立現代美術館「2020今年の作家賞」候補に入った視覚芸術作家であり映画監督のチョン・ユンソク氏のドキュメンタリー映画『明日』の一部分だ。現在、国立現代美術館ソウル館で展示中のこの作品は、俗にラブドールといわれる女性全身人形を題材にしているという理由で「女嫌(女性嫌悪)」論争が起きている。成人用人形の輸入をめぐって起きている論争のもう一つの側面だ。
これに先立ち、2019年最高裁は「関税庁の成人用人形の輸入通関保留措置は違法」と判決を下した。だが、関税庁はその後も個別企業の輸入通関申請を許可しておらず、関連の訴訟が続いている。関税庁と市民団体は「身体をリアルに表現し、人の尊厳性と価値を深く傷つけて、性風俗を乱す物品に該当する」という立場である一方、企業は最高裁の判決を根拠に「『性器具』として身体の属性を表しているにすぎず、人の尊厳性と価値を深く傷つけるものではない」と主張する。