ますます深刻化する韓国の負債状況
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.03 11:04
韓国で「IMF事態」と呼ばれる1997年の通貨危機は一言で不良化した企業と銀行を処理する過程だった。1980年代後半の原油安、低金利、ドル安の「3低」による好況で韓国経済は輸出が急増し、1986~88年に年平均12%の高成長をした。しかし企業が未来を楽観的に予想して投資を大きく膨らませた。GDPに対する企業負債の比率は1988年の63.4%から1997年には107.2%に増加した。企業不良が銀行不良につながり経済危機になった格好だ。その後企業の構造調整により企業の負債比率は2005年には73.3%まで低くなったが、今年1-3月期には105.1%に高まり通貨危機前の水準に近付いている。
さらに大きな問題は家計と政府負債が増え続けているというところにある。1988年にGDP比32.4%だった家計負債比率が今年1-3月期には95.9%まで急増した。家計負債がこのように増えた理由は一部家計の過消費、国民総生産(GNI)における家計の相対的縮小、企業資金需要減少にともなう銀行の家計向け貸付増加、資産価格上昇にともなう学習効果にある。さらに政府負債も増加している。国会予算政策処は今年GDP比44.5%と推定される政府負債比率が2022年には50%、2040年には100%を超えると予想している。