【チャイナインサイト】民と争うなという中国は誰のための国だったのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.10.02 16:24
中国が米国と並んで主要2カ国(G2)と呼ばれると、「中国モデル」が西欧モデルの代案として提起された。米UCLA史学科のロイ・ビン・ワン(王国斌)教授は、明・清時代の伝統中国こそが現代の福祉国家と似ていたと主張した。統治理念が成長よりも分配を強調し、社会的な調和を優先し、財政のために徴収する租税が少なかったという論理だ。
同じ時代、欧州国家は戦争で勝つために財政を拡充しなければならず、消費税など間接税を開発した。さらに所得税を創案し、土地でなく所得にも課税した。銀行という企業が生まれると、国債を発行するノウハウを悟り、民間と海外資本市場からも財政を調達することができた。さらに欧州の国と政府は東インド会社のような国策会社を設立して商売もした。欧州の行政と財政のテクニックと比較すると、中国では、民と利益を争う「与民争利」が道徳的にダブー視された。民を飢えさせないことが最大の目標だったため、農民救済のための大規模な穀倉制度で飢饉を防いだ。現代福祉国家と似ているように見える。