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「トランプ、北朝鮮の金正恩にとって核兵器は愛着のあまり売ることのできない家だと言った」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.11 11:36
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ドナルド・トランプ米国大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と核兵器の関係について「不動産に愛着があるあまり売ることができない人と似ている」と評価したとワシントンポスト(WP)が9日(現地時間)、伝えた。この日、WPとCNNは「ウォーターゲート特集」の主人公、ボブ・ウッドワードWP編集局次長が15日に発売する新刊『怒り(Rage)』の内容を一部、事前入手して報じた。

ウッドワード氏は、同書を書くためにトランプ大統領と18回、報道を前提にインタビューしたと明かした。インタビューは昨年12月からことし7月まで行われ、合計9時間分の分量になる。インタビューを許可した理由は、名声に執着するトランプ大統領がウッドワード氏を通して政治の遺産を残したいと考えているためだとCNNは分析した。

 
トランプ大統領はウッドワード氏に自身は金委員長と彼の核兵器の関係を家主と不動産のように評価していると打ち明けた。「言ってみれば、まるである人がある家を非常に気に入って、到底売ることができないのと同じこと」と説明した。

米国の情報機関長が北朝鮮は核を放棄するようには思えず、トランプ大統領のアプローチには実効性がないと警告しているにもかかわらず、トランプ大統領はウッドワード氏に自身は今の航路を維持することに決めたと話した。また、中央情報局(CIA)は北朝鮮をどう扱うべきか分かっていないと一蹴した。

トランプ大統領は金委員長と3度実際に会ったことについて「私は会った。それは、とてつもないこと(big fucking deal)」と述べた。ウッドワード氏は、トランプ大統領が金委員長との関係について発言する時に俗語を用いたと明かした。

トランプ大統領は、2018年6月12日にシンガポールで開かれた第1回米朝首脳会談で金委員長に初めて会った時、あまりにも驚異的で、心の中で「これはすごい(Holy shit)」と繰り返したと打ち明けた。金委員長が「賢さをはるかに超えた人」だということを知ることになったと述べた。金委員長と非常に親しくなったとウッドワード氏にアピールしながら、金委員長が叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏をどのように処刑したのか生々しく説明したと話した。

トランプ大統領と金委員長は陰口も交わしたものと見られる。トランプ大統領は、金委員長がオバマ大統領を「ろくでなし(asshole)」だと考えているとウッドワード氏に伝えた。金委員長が実際に言った言葉なのか、トランプ大統領の考えなのかは不明だ。

『怒り』にはトランプ大統領が金委員長とやりとりした書簡が27通公開された。このうち25通は初めて公開されるものだ。トランプ大統領は自身が金委員長に送った親書の内容はウッドワード氏と共有しなかった。「極秘」という理由からだ。ウッドワード氏はトランプ大統領が金委員長に送った親書は他のルートから入手したと明らかにした。

この日、WPが公開した抜粋によると、金委員長はある書簡で「ファンタジー映画の一場面を連想させる私と閣下の間の新たな歴史的な会談を願う」と書いた。また、トランプ大統領との会談が「大切な記憶」とし「私たちの間の深く特別な友情がどのように魔法の力として作用するかよく見せてあげる」と記した。

金委員長が2018年12月25日に送った親書ではトランプ大統領を9度も「閣下(Excellency)」と呼んだ。ウッドワード氏は「トランプは自分自身が閣下と呼ばれたことを自慢げに話していた」とし「トランプは金委員長のお世辞で落ちた」と書いた。

トランプ大統領は、自身が金委員長に2人の写真を1面に載せたニューヨーク・タイムズを送ったと明らかにした。白い紙にマーカーで「委員長様、素敵な写真、良い時間だった」と書いて送ったという。 

『怒り』には、2019年2月27~28日のハノイ首脳会談を控えて米朝が場所をめぐり強硬に対峙した内容も書かれている。第1回首脳会談の場所が米国の主張通りシンガポールに決定し、金委員長は航続距離が短く老朽化した専用機「チャムメ(オオタカ)1号」の代わりに習近平中国国家主席の専用機を借りる屈辱を受けた。北朝鮮は第2回首脳会談の時はこのような屈辱を避けるために平壌(ピョンヤン)での首脳会談を説得したが、トランプ大統領の参謀の反対によりハノイで合意したという。

金委員長は、ハノイ会談が物別れに終わった後、2019年6月10日にトランプ大統領の誕生日を祝う手紙で「もう一回歴史の素晴らしい瞬間を作ろう」と述べ、第3回首脳会談の開催を呼びかけた。この手紙は結局、20日後の板門店(パンムンジョム)会談につながった。

ウッドワード氏は、トランプ政権国家安保チームが北朝鮮との緊張が最高潮に達した2017年に北朝鮮と核戦争に近接したかもしれないと懸念したと記した。当時ジェームズ・マティス国防長官は北朝鮮の発射に備えて服(軍服)を着たまま眠り、祈るために聖堂に頻繁に訪れたとウッドワード氏は記した。

同書には、新型コロナ事態の初期にトランプ大統領がウイルスの威力について否定的な発言をしたが、実際には本人はどれほど致命的か既に知っていたという内容が含まれた。トランプ大統領は、ことし2月7日にウッドワード氏に電話で「公の場で述べたより状況はより深刻だ」とし「空気を吸うだけで移る」と述べた。

トランプ大統領は10日、これを意識したように「ウッドワードは数カ月間、私が言ったことを知っていたが、それほど危険だと思っていたのなら、なぜすぐに多くの命を救うためにこれを報道しなかったのか。彼には私の答えが適切で良いということが分かっていたから、そうしなかったのだ。落ち着きなさい。慌ててはいけない」と反論のツイートを投稿した。また、別のツイートで「金正恩は健康だ。絶対に彼を過小評価していてはいけない」とも述べた。なぜ突然、金正恩委員長の健康に言及したのかについて追加説明はなかったが、ウッドワード氏が新作でトランプ大統領と金正恩委員長の関係について記述したことと無関係ではないようだ。

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    2020.09.11 11:36
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    ボブ・ウッドワード氏の著書『怒り(Rage)』
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