文在寅（ムン・ジェイン）大統領は２７日、「とうてい常識では理解できないことが教会の名前で一部で起きている」として「きわめて一部の非常識が韓国教会全体の信望を害している」と述べた。この日午前、青瓦台（チョンワデ、大統領府）で開かれた韓国プロテスタント教会の指導者らとの懇談会でだ。

文大統領は「特定の教会では政府の防疫方針を拒否し、むしろ妨害して今まで感染者が１０００人に迫っている」として「世界防疫の模範と呼ばれていた韓国の防疫が一瞬にして危機を迎えており、国全体が大きな困難を強いられている」と述べた。

チョン・グァンフン牧師とサラン（愛）第一教会などをきっかけに教会の防疫協力を強く求めたものだ。するとキリスト教系を代表してあいさつを述べた韓国教会総連合のキム・テヨン共同代表会長は「宗教の自由をあまりにも簡単に公権力で制限することができ、中断を命令することができるという意味に聞こえて大きく驚いた」として文大統領の２４日の発言を批判した。

当時、文大統領は「いかなる宗教的自由も、集会の自由も、表現の自由も国民にそのような莫大な被害を与えるまで主張することはできない」とし、憲法上基本権制限の可能性を示唆したことがある。

ところが、キム会長は文大統領の前で「宗教がある人にとっては趣味か分からないが、信仰を命のように思う人々には宗教の自由というのは命に替えられない価値」と反論した。

この日、懇談会は政府と与党がチョン牧師など８・１５集会を新型コロナの再拡散の震源地と名指し、キリスト教系の一部で反発が提起される状況で開かれた。文大統領とキム会長の発言はこのような微妙な状況でお互いに準備された原稿を通じて「強対強」で対抗した模様だった。

懇談会で文大統領は「多くの教会信者がボランティア活動と寄付募金で水害復旧に大きな力になって下さっている」など美徳の言葉であいさつを始めたが、直ちに「特定教会」に言及してチョン牧師などを狙った。

「その教会の信者が参加した集会による感染者もほぼ３００人に達している」とし「一息つくと思った国民の暮らしも崩れている」とした。

また「ここまで来れば少なくとも国民に申し訳ないと思って謝罪でもしなければならないのに今でも居直りで陰謀説を主張しながら大声を張り上げている」と主張した。「ウイルスは宗教や信仰を問わない。礼拝や祈りがウイルスから守ってくれることはできない」とし、「防疫は信仰の領域ではなく、科学と医学の領域だ」とも述べた。

反面、キム会長は「政府が防疫を前面に出して教会に行政命令し、教会が政府の方針に反発するのは国民に非常に恥ずかしいこと」と指摘した。また「教会や寺、聖堂のような宗教団体を営業所や事業場扱いしないでほしい。国民の半分以上が宗教家だ」「全体教会を阻止する現在の方式は長続きできない」として制限的な対面礼拝の許容を求めた。

防疫認証を受けた教会の現場礼拝を許可し、教会堂の座席数により集会人員を柔軟に適用してほしいと求めた。

これを受け、文大統領は「信仰を表現する行為、礼拝する行為は最大限国が守るべきだが、やむを得ない場合は規制できるように感染病予防法上制度化されている」として教会の対面礼拝を許さない決定を覆す意向がないと明らかにした。

この日、懇談会は韓国教会総連合のキム・テヨン、リュ・ジョンホ、ムン・スソク共同代表会長、韓国キリスト教教会協議会のイ・ホンジョン総務など１６人が参加して２時間近く行われた。チョン牧師が所属した韓国キリスト教総連合会は招待から外された。

懇談会で文大統領は医師のストライキに対して「新型コロナの危機状況で医療関係者が医療現場を離れるというのは戦時状況で軍人が戦場から離脱することと同様」とし、「史上最大の火災が発生したのに消防署員が火災の前でストライキをすることに変わりない」と話した。

チョン牧師と医師のストライキに対して文大統領が強硬な態度を維持する間、文大統領の国政遂行に対する支持率は上昇の勢いが続いている。

リアルメーターがＴＢＳの依頼で２４日から３日間全国有権者１５１２人を対象に調査した結果、文大統領の国政遂行支持率（肯定評価）は前週より３．３％ポイント上がった４９．４％で、否定的な評価（４６．６％）をリードした。該当調査で肯定的な評価が否定的な評価をリードしたのは７週間ぶりだ（詳しい内容はリアルメーターや中央選挙世論調査審議委員会のホームページ参考）。