北朝鮮開城封鎖、コロナ越北者に責任転嫁
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.27 08:32
北朝鮮に戻った脱北者が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の症状を示していて、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が特級警報を発令したと朝鮮中央通信が26日、報じた。通信はこの日、「開城(ケソン)市で悪性ウイルスに感染したと疑われる越南逃走者が3年ぶりに不法的に境界線を越えて7月19日に帰郷する非常事件が発生した」とし「感染者と疑われる釈然としない(調査)結果が出た」と明らかにした。報道文脈上、悪性ウイルスは新型コロナウイルスを意味する。正恩氏はこれに伴い、24日、開城市を全面封鎖したことに続き、25日労働党政治局非常拡大会議を緊急招集して国家非常防疫体系を「最大非常体勢」に切り替えて特級警報を下すよう命じたと通信は伝えた。
韓国合同参謀本部はこの日の記者会見で「北朝鮮の報道に関連し、一部の人員を特定して関係機関と緊密に協調して確認中」と明らかにし、「脱北者が戻ってきた」という北朝鮮発表を事実上、認めた。当局は2017年に北方限界線(NLL)を越えて韓国に来た脱北者のうち、連絡がつかないでいる金浦市(キンポシ)居住者のキム氏(24)の行方を調査していることが伝えられた。
北朝鮮はこれまで、新型コロナは北朝鮮内で発生したことがないとし、「コロナ清浄国」を主張してきた。今回のように、コロナが疑われる患者が発生したという理由で正恩氏が都市全体を封鎖して特級警報を下したと公開したのは初めてだ。