「結論から言うなら旧日本軍慰安婦運動の大義は固く守られなければならない。大義はおばあさんの証言から始まり、民間の自発的な参加と連帯がこれに加わった。市民団体の形態は振り返るべきだが、運動そのものを否定してはいけない」

韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領が８日、青瓦台（チョンワデ、大統領府）首席・補佐官会議を主宰しながら、最近の「尹美香（ユン・ミヒャン）事態」に関連し、このような立場を明らかにした。与党「共に民主党」尹美香議員と日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯〔正義連、韓国挺身隊対策協議会（挺対協）の後身〕を名指しせずに「慰安婦運動」という包括的名分からのアプローチだった。先月７日、李容洙（イ・ヨンス）さんの暴露からおよそ１カ月を経て出された文大統領の直接発言だ。

事実、文大統領と李容洙さんはこれまで何度も顔を合わせている間柄だ。大統領就任後、青瓦台行事だけで４回も招待した。これまで日本に対抗して被害者中心主義を取り上げる時に登場させたりした。文大統領も自ら釜山（プサン）挺対協支部会員だった。これまで与党陣営から李さんが激しい非難を受けている時「文大統領はどのような立場か」という疑問が提起されたのが背景だ。

文大統領はおよそ１８９０字で答えた。「守らなければならない大義－おばあさんの証言－自発的連帯－運動の正当性」と続く論理だった。まず文大統領は「慰安婦運動をめぐる論争が非常に混乱している。申し上げることも用心深い」としつつも「人類普遍の価値を実現しようとする（慰安婦運動の）崇高な意志が傷つけられてはならない」と話した。「慰安婦運動３０年の歴史は人間の尊厳を守り女性の人権と平和に向かう歩みだった」ともした。

あわせて「金学順（キム・ハクスン）さんの歴史的証言から慰安婦運動は始まった」とし、慰安婦おばあさんを「運動の出発点」だと釘をさした。特に、李容洙さんについては「慰安婦運動の歴史」とし「慰安婦運動の歴史で慰安婦問題を世界的問題にするのに多大な役割をした」と話した。寄付金論争に対しては「市民団体の活動方法や形態に対しても振り返ってみる契機になった」とし「政府は今回の議論を契機に寄付金統合管理システムを構築し、寄付金または後援金の募金活動の透明性を根本的に強化する。市民団体もともに努力することを望む」と話した。

文大統領は過激な親文支持層が李さんを「土着倭寇」と遠回しに言って非難する状況で、李さんを積極的に擁護した。▼米国下院で初めて慰安婦証言▼フランス議会での証言▼慰安婦記録物の国連教育科学文化機関（ユネスコ）登録を促す活動－－などに一つひとつ言及した。「私たちは慰安婦のおばあさんがいない慰安婦運動を考えることはできない」「慰安婦運動を率いられたことだけでもだれの認定も必要なく自らが尊厳だ」というようなことにも言及した。

「３０年の慰安婦運動、否定すべきでない」…文大統領が問いかけた市民団体自省論（２）