米国が２８年間中断していた核実験を再開することを検討したとワシントンポストが２２日に報道した。

同紙は米高官の話として、１５日に国家安全保障機関のトップらが集まった会議でこうした案をめぐる議論があったという。この会議ではロシアと中国の最近の核実験疑惑が議題に上がった。

匿名の米高官は「米国も核実験をするならばロシアや中国と核軍縮交渉をするのに役立つという話が出た。会議で核実験再開の有無に対する結論は出なかったが継続して議論することにした」と話した。しかし別の関係者は「会議で核実験を再開するよりは他の方式でロシアと中国への対応策を用意しなければならないと結論が出た」と伝えた。

特に核実験再開に対し国家核安全保障局（ＮＮＳＡ）が強く反対したと複数の情報通が伝えた。今回の会議についてホワイトハウス国家安全保障会議（ＮＳＣ）は立場表明を拒否したと同紙は伝えた。

現在主要核保有国は核実験禁止を順守しているが、米国はこの数カ月間にロシアと中国が爆発力の低い低出力実験を実施し、あらゆる規模の核実験を禁止するゼロイールド基準に違反したと主張した。両国はこれに対して否定している。

１９４５年以降核を保有する８カ国が２０００件の核実験を行った。米国はこのうち１０００件以上を実施した。米国は包括的核実験禁止条約（ＣＴＢＴ）に加入したが、議会が批准を拒否した。しかし１９９２年以降は核実験を中断した状態だ。