<Mr.ミリタリー>ぶつかり合うトランプ-習近平、苦しい立場の韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.21 11:07
「トゥキディデスの罠」原理は新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに激しくなった米国と中国の競争にも適用されるのだろうか。韓国はその渦に巻き込まれる運命だ。「トゥキディデスの罠」とは紀元前5世紀のギリシャの話だ。当時、ギリシャ都市国家の覇権国スパルタは新興国アテネの浮上を懸念してペロポネソス戦争を起こした。覇権国が新興国を牽制して戦争を起こす罠にはまるという論理だ。歴史的な経験は繰り返された。現在、覇権国の米国が挑戦する中国を牽制する状況も似ている。両国間の溝はコロナ事態で感情的に深まっている。
米中の対立は世論戦から経済・外交へと広がっている。軍事に拡張する爆発性もはらんでいる。両国の競争は昨日今日のことではないが、かなり激化したレベルに達している。中国専門家の鄭在浩(チョン・ジェホ)ソウル大教授(政治外交学部)は13日、ソウル大国際学研究所(所長・朴チョル熙教授)の「グローバル戦略セミナー」で「米中は後戻りできない局面にまで入り込んでいる」と述べた。この過程で中国は韓国が自国側に寄ることを望んでいる。韓国が背を向ければ中国の圧力はTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復より激しくなるだろう。拳(中国)は近く、法(米国)は遠い。韓国は困惑するしかない。
米国の中国たたきは強まっている。トランプ米大統領は18日の記者会見で「中国は全世界に深刻な被害を及ぼした」とし「中国とのすべての関係を断つこともできる」とまで語った。米国は中国が米国の農産物など2000億ドル分を購入することにした貿易第1段階の合意(1月)の履行を見守っている。中国は新型コロナで経済が厳しい。しかし中国が合意を履行しなければ米国は貿易戦争を再開する態勢だ。この場合、米国が中国に対し金融開放と中国企業への補助金中止、知的財産権問題など波状攻勢をかけると予想される。