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【コラム】文大統領の危険な勝負手(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.22 09:32
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4月の総選挙が「文在寅(ムン・ジェイン)選挙」に固まっていく雰囲気だ。与党ではひたすら文大統領だけが見える。官僚らは「青瓦台(チョンワデ、大統領府)政府」に圧倒されており、民主党も垂直的な与党・青瓦台関係に踏み付けられて存在感が感じられない。青瓦台出身の「親文(文大統領寄り要人)」だけで60人余りが総選挙に出て「非文」は見当たらない。文大統領のよどみない独走だ。

大統領の言葉にも凄じい力が加えられている。文大統領が新年記者会見で「チョ・グク前長官にとても大きな負い目を感じている」と言うと、2日後に新任検察幹部が「チョ・グク氏を無嫌疑で処理しなければならない」と主張した。青瓦台に向かって捜査の矛先を向けていた検事長は全員交代され、明日は部長・検事補に対する報復粛清が予告されている。軍事独裁政権もこれほどではなかった。

 
文大統領の「もう米朝対話だけを見つめない」という発言もものすごい波紋を起こした。それにけちをつけたハリス駐韓米大使に向かって「朝鮮総督か」(民主党議員)、「鼻ひげが日本巡査のようだ」(親文ネットユーザー)という人種差別・人格殺人の無差別的な攻撃が注がれた。大統領の一言に青瓦台・政府・民主党がスクラムを組んでひとまず押しつけるわけだ。常識や合理的な判断は姿を消した。

文在寅・青瓦台で勤めたことのある人々はこのように口をそろえる。「首席と秘書官は過去の政権よりさらに大統領の顔色をうかがい、文大統領は民主労組と参加連帯だけを意識する」。そのため、左派政策だけがあふれるということだ。固定支持層に集中しているためだ。

文大統領は自伝『運命』で「盧大統領の退任後に検察を通じて不正が流れ出ると、進歩メディアは肉をほじくるように恐ろしく盧武鉉(ノ・ムヒョン)を攻撃した」と書いた。他のことは耐えられたが、味方だと思っていた進歩陣営の恐ろしい攻撃には耐えることが難しかったと話した。チョ・ギスク元広報首席も「盧大統領の逝去は進歩メディアが『酸化せよ』『グッドバイ盧武鉉』のようなコラムで亡くなるように祭事を行うようなことをしたのがきっかけになった」と証言した。文大統領が支持層の離脱に極めて鋭敏な反応を見せる背景にはこのようなトラウマがある。

【コラム】文大統領の危険な勝負手(2)

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