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「保守派大将」安倍首相、なぜハト派のこの人物を後継者として期待するのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.02 15:50
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記者=安倍首相の意中の人物は岸田政調会長ではないのか。

安倍首相=まだ私の任期が1年9カ月残っているので…その間に人々の視線が集まって(後任者が)決まったりするが…岸田氏が果たした役割はきく、これからさらに明確な発言をされていくことを期待している。

 
1日に放送されたテレビ朝日の安倍晋三首相(65)の新年のインタビューでこのような対話があった。

安倍首相は2012年12月の再執権以降に満7年、第1次内閣(2006年9月-2007年9月)の1年を合わせて計8年と、日本憲政史上で最長期間の執権だ。任期が2021年9月までの安倍首相の後任が誰になるかに関心が集まっている。

ところが最近、「安倍首相の意中が岸田文雄自民党政調会長(62)に傾いた」という話が急速に広まっている。安倍首相はテレビ朝日のインタビューでも「外相として(集団的自衛権の行使など)平和安全法制の成立にも大きな役割をした」「オバマ大統領の広島訪問でも役割が大きかった」「今回の補正予算処理でもリーダーシップを発揮した」と岸田氏を称えた。

安倍首相は自民党内の最大派閥の細田派(議員97人)出身だ。首相の身分であるため所属派閥を離れているが、安倍首相は党内最大派閥の実質的なオーナーだ。党内2番目の派閥の麻生派、4番目の二階派の絶対的な支援まで受けている安倍首相は「国会議員+地域票」で選出する自民党次期総裁の決定に絶対的な影響力を持つ。

岸田氏は安倍内閣で4年7カ月間も外相を務めた。伝統の派閥、党内リベラル勢力の象徴である宏池会(現岸田派、党内4番目の派閥)のトップだ。さらに岸田氏の選挙区は原爆の被害があった広島であり、ウルトラ保守色の安倍首相や細田派とは考え方が異なるしかない。にもかかわらず安倍首相はなぜライバル派閥のトップであり各種世論調査で4、5位圏にとどまっている岸田氏に期待するのか。

まず「自民党内で唯一『反安倍』の旗を掲げる石破茂元幹事長の執権をなんとか避けようとするため」という見方がある。2012年、18年に安倍氏と石破氏は2度も総裁選挙で激突した。派閥議員の数は20人にもならないが、地域で人気が高い石破氏は「安倍1強」と呼ばれる自民党内の力学構図の中で唯一、安倍氏に正面から対抗してきた人物だ。世論調査で「次期首相に最もふさわしい人物」1位になるほど大衆的な人気が高い。

党内の拒否感が少なくて円満な岸田氏を後継者として前に出し、石破氏が総裁に選出されるのを安倍首相が阻止しようとしているという解釈が出ている。安倍首相が属した細田派には注目を集める次期首相候補がいないからだ。

安倍首相が岸田氏に期待する理由を、念願事業である改憲という点で見る視線もある。「任期内の改憲が難しくなった状況で、安倍首相が党内穏健派の岸田氏を前に出して改憲を実現させようという試み」という観測だ。日本国内には「改憲には賛成するが、安倍首相の改憲には反対する」という世論が少なくない。これを意識した安倍首相が自民党の政策を総括する政調会長の岸田氏を改憲の盾として前に出したということだ。安倍首相本人が改憲を完遂できればよいが、それが果たせなくても岸田氏がすればよいということだ。

このほか、1993年の当選同期であり「世襲政治家」の安倍首相と岸田氏の2人の相性を挙げる人もいる。岸田氏は外相と自民党政調会長として安倍首相とコードを合わせた。2018年の総裁選挙では、「出馬して安倍首相と正面から対抗すべき」という派閥議員の圧力の中でも、不出馬を選択して安倍首相に対する義理を守った。

その岸田氏には「安倍首相から王の地位をただで受けようとしている」「木の下で口を開けて柿が落ちてくるのを待っている」「あまりにも存在感がなくあいまいな人物」という酷評も多い。

記者=7年前に安倍首相は権力は勝ち取るものだと言ったが、岸田会長にとっては(総裁が)転がり込んでくるようなものではないのか。(首相になるのなら)バットをぶんぶん振っているべきではないのか。

安倍首相=岸田氏は(ネクストバッターズサークルで)バットをぶんぶん振っている。もうじきその音が聞こえてくると思う。

岸田氏をめぐり1日のテレビ朝日のインタビューでこのような対話が交わされた理由だ。

日本政界では「安倍首相は今は任期延長を否定しているが、いつ立場を変えるかは分からない」「自身の総裁4選のためにあえて軟弱なイメージの岸田氏を推している」という陰謀説も出ている。

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