【コラム】文在寅政権のタブー「原発」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.30 11:09
あるべきものがなかった。エネルギ―経済研究院が隔週で出す報告書「世界原発市場インサイト」のことだ。各国の原発関連動向や政策分析リポートなどを掲載する刊行物だ。よい情報が多いため目を通してきた報告書だった。これが途切れた。エネルギ―経済研究院のホームページに掲載されたのは11月29日付が最後だ。その次の号の12月13日付は作成された。数百部を印刷して政府部処をはじめとする関係機関に配った。しかしホームページには載せなかった。
理由が気になった。エネルギ―経済研究院からは公式的な返答を得られなかった。後で知ったが、政策提言が禍根(?)だった。A教授が書いたもので、脱原発に批判的な内容だった。「韓国は脱原発に基づき設計寿命(1次運営許可期間)が終わった原発をすぐに廃止する。米国のように20年延長して稼働すれば260兆ウォン(約24兆円)の利益が生じる」などの分析だ。モデルは単純であり、計算論理自体に特に欠陥はないように見えた。ところがこれが政府の気に障ったようだ。印刷本を配布した後、エネルギ―経済研究院に連絡があったという。当惑したエネルギ―経済研究院はホームページへの掲載を延ばした。政府を気に障る政策提言は次の号の後方にそれとなく入れようとしているという声も聞こえる。