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【社説】あきれた米大使官邸乱入放置…警察に責任を問わねば=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.21 08:59
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ソウルの駐韓米国大使官邸に乱入した大学生7人に対する拘束令状がきのう裁判所に請求された。彼らは18日に米大使官邸の垣根を乗り越えてハリス大使の家族が生活する建物の玄関前で「ハリスはこの地から出ていけ」として在韓米軍防衛費分担金引き上げを糾弾するデモを行った。警察は遅れて官邸に入り70分後に19人を連行した。

警察の米大使館警備失敗はあきれを超えて憤怒を起こさせる。大学生が大使館の塀にはしごをかけカバンを持ったまま乗り越える姿がカメラにもそのまま撮られる間に警察は事実上傍観した。集会を主導した韓国大学生進歩連合が親北朝鮮・反米性向の団体という点からも警察はなにも言えない境遇だ。韓国大学生進歩連合は1月と6月にも防衛費分担金引き上げとトランプ大統領に反対して大使館進入を企図しデモを行った。彼らの性向と動向に少しでも注意を傾けていれば乱入を事前に遮断できた。警察は「はしごを片づけた時に発生しうる負傷を心配した」「女子学生の身体接触が難しく婦人警官を待った」などの苦しい弁明をしたという。2015年のリッパート米国大使襲撃など「悠久な」反米デモ事件の様態と突発状況を経験した韓国警察が言う言葉なのか。万一テロ事件でも発生すればどうするつもりだったのかもどかしい。察内外で「政府が反米デモを放置した」という言葉が出るのも無理はない。

 
ハリス大使は「警備に努力した韓国警察に感謝する。猫たちは無事だ」としながら火消しに出たが、一部市民はこれを韓国に対する批判と読み取っている。警察は「違法行為を厳正に捜査する予定」としながら米大使官邸警備に警察官1個中隊を追加配置し、はしごや綱を利用した侵入を遮断する案をまとめることにした。「泥棒を捕らえて縄をなう」という食傷した嘆きしか出てこない。

米国務省が異例的に強い語調で遺憾を表明する点も懸念される。米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)はきのう「韓国がすべての在韓外交公館を保護するための努力を強化することを要求とする」という国務省の立場を報道した。「14カ月ぶりに大使館官邸に違法侵入した2度目の事件ということに強く懸念する」という論評も出された。昨年40代の朝鮮族の女が大使官邸に無断侵入した事件までまとめて不満を示したのだ。遺憾の論評の後には22~24日にハワイで開かれる防衛費分担特別協定(SMA)交渉日程を発表する報道資料を出し、分担金引き上げの必要性を細かく確認した。今回の事件に言及はされなかったが、交渉に最大限ローキー(控えめ)で臨もうとしていた韓国としては困ったことになったというのが外交街の分析だ。大使館乱入事件が国益次元からも痛恨のことになりかねないという話だ。

こうした状況で韓国大学生進歩連合所属学生らは「防衛費分担金引き上げを米大使に直接抗議するため大使官邸に入った」として学生全員を釈放するよう主張する。同盟国に明白な不法行為を行っても自分たちの行動を分担金抗議というもっともらしい名分で包装したのだ。今回の乱入事件が韓国社会の左右理念対立とかみ合わさって反米・親米という陣営対立に広があらないか心配になる。「すべきこと」をしっかりとやらなかった警察のために不必要な混乱と外交摩擦が起きている。警察に厳しく責任を問わなければならない。

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