【コラム】李洛淵首相の嘘=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.04 16:31
昨年、現職検事が書いたベストセラー『検事内戦(原題)』はこのように始まる。「(韓国は)詐欺共和国だ」。同書によると1年に24万件、2分に1件ずつ行われる詐欺による被害額は、毎年3兆ウォン(約2677億円)を超えるという。物的・心的苦痛を引き起こす詐欺がそれほど横行している理由は単純だ。損する商売ではなく利益が出る商売だからだ。殺人や暴力など、ほとんどの犯罪は瞬間的な感情に勝てずに起こるが、この検事である著者は「詐欺だけは違う」と言う。感情より計算が上回っている。ソロバンをはじき、リスクよりも収益が高いと判断したときに詐欺を行うということだ。ノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者ゲーリー・ベッカー(1930~2014)もそう言った。「犯罪により得る収益が、それによって支払う費用より高いため」罪を犯すのだと。常識のある人々はいくら利益になる商売でも良心を売りながら他人を欺くのは容易ではないが、詐欺師は確かにDNAが人並外れているようだ。
過去の本について再び書いたのは「詐欺共和国」という言葉を最近のように大きく実感したことがなかったからだ。政府の高官でさえ公式の場ですぐに判明する嘘を競争するようにまくしたてるのだから。違うだろうか。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は正式な大統領記録官を差し置いて自分だけのための個別記録官の予算を本人主宰の閣議で議決しておきながら、マスコミが問題視すると「指示しても望んでもいないことだから激怒した」と述べた。1カ月も経たないうちに青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官のこの公式会見が偽りだと露呈したが、大統領は今直面している非難世論を避けようという目的は達成した。常識のある人は呆れていたが、盲目的な支持者は気にしないだろうから、利益になる商売をしたと満足しているのかもしれない。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長もソウル市傘下の交通公社の雇用世襲と採用不正が監査院の監査で確認されると「採用不正は事実ではなかった」と大胆な嘘を言い、逆にマスコミを非難した。常識のある人はその厚かましさに言葉を失ったが、マスコミに矛先を変えて自らの過ちは隠し、チョ・グク法務部長官関連報道に不満を抱いた現政権支持者から拍手を受けたのだから利益のある商売だと考えているようだ。チョ・グク長官と彼の護衛武士を自任した多くの共に民主党議員、ユ・シミン作家などの日常的嘘には全てこのような薄っぺらい算法が作用しているのだ。