【コラム】安倍氏の訪中をどのように見るべきか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.10.24 07:38
世界が混沌としている。国家の原始的な力が国家間の制度を圧倒している。ドナルド・トランプ米大統領の一国繁栄主義が助長したカオスの世界だ。主要7カ国(G7)が力を失って久しい。しかも、トランプ孤立無援のジレンマに陥っている。G20は参加国間の異見が深い。米国と中国は既存覇権国と新興強国間対立の「トゥキディデスの罠」に陥りつつある。関税戦争に突入した。軍事的には米国の西進と中国の海洋進出・アクセス拒否(access denial)戦略が衝突している。自由貿易は重大な挑戦に直面した。米国が作った伝家の宝刀が色あせている。同盟も不況、漂流の時代だ。費用が安保と共通の価値を優先する。世界は秩序を主導する勢力がないG0(ゼロ)に近い。
25~27日の安倍晋三首相の訪中はこのような環境とぴたりと重なる。公式訪中は劇的という状況反転だ。2012年安倍再執権以降、初めてだ。中国は2年前の日中首脳会談場では、両国の国旗さえ掲げなかった。日本無視だった。それでも安倍首相は習近平中国国家主席に手を差し出してきた。今は習主席が色目を使っている。日中の接近は米中摩擦の副産物だ。米国の対中政策はけん制を越えた事実上の経済・安保封鎖だ。今月初め、マイク・ペンス米副大統領の対中政策演説はその決定版だ。中国脅威論を網羅した新冷戦宣言という言葉も出ている。ここに中国経済は貿易戦争の余波が現実化している。今年7-9月期の成長率が6.5%で、10年前の世界金融危機以降で最も低い。