「反米コード」に隠された北朝鮮のワシントン片思い(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.14 11:41
実際、反米は北朝鮮体制の生存イデオロギーそのものだった。日本の植民支配からの解放を金日成(キム・イルソン)武装闘争の成果とするのに成功した北朝鮮は6・25南侵戦争にも手を加えた。「民族解放戦争」と描写して勝利を主張した後、「一世紀に2つの帝国主義(日米)を打勝した偉人」として偶像化したのだ。北朝鮮で生まれた子どもはおもちゃの銃で米国大統領と星条旗を撃つ遊戯を強要され、米国を山犬として描写したテレビアニメ映画に慣れる。昨年冬、酷寒の中で2400万人の北朝鮮住民は連日、反米群衆大会に動員された。北朝鮮軍の戦車やロケット砲に刻印された「朝鮮人民の不倶戴天の敵である米帝国主義を消滅しよう」というスローガンはその決定版だ。
反米イデオロギーは3代世襲の弱点を隠し、暴圧的統治を正当化するのにも有用だった。米帝の侵略に対抗して自主権を守るという美名の下で「首領独裁と唯一領導」が作動した。核兵器とミサイルに対する執着は米国に対する誇張された「被包囲意識(siege mentality)」の発現だ。すべてのことに軍を前面に出す、いわゆる先軍政治も同じだ。窮乏した生活は米国の対北朝鮮制裁と封鎖政策のためと学習されている。こうした反米キャンペーンを統治に使ったのは金正恩委員長も例外でない。2014年に黄海南道信川博物館を訪れた金正恩委員長は「米帝殺人鬼」を云々し、「敵に対する幻想は死だ」と述べた。信川惨劇は韓国戦争(朝鮮戦争)中の左右対立が原因になったという点は韓国の進歩学者・メディアも検証した。ところがこれを「米帝による住民3万5000人虐殺現場」としてねつ造・扇動している。