【コラム】国民所得3万ドル…幸せでない理由=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.22 08:50
童謡『3匹のクマ』は和やかな中産層の姿を象徴する。英国の昔話にも3匹のクマが登場する。林の中で道に迷った少女ゴルディロックスが父グマ、母グマ、子どものクマが住んでいる家に入る。少女は食卓の上の3皿のスープのうち、熱いスープ、冷たいスープの代わりにちょうどいいスープを選択し心が暖かくなる。少女の名前を取って高い成長でも物価が上がらない理想的な経済を「ゴルディロックス経済」という。2008年の金融危機から約10年ぶりに世界の経済成長率が2年連続上昇した。フォーブスは米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が「新ゴルディロックス経済」の成果を残したという。
株価が上昇し各種経済のリスク指標は下落した。ところが人々は改善した数値とは異なり世の中が依然として世知辛く殺伐としているという。自身が踏みしめている場所の風景が和やかな中産層の姿と乖離があると考える理由は何か? 2010年にオックスフォード辞典が「縮んだ中産層(squeezed middle)」を今年の単語に選定した。中産層危機が浮上し現在も進行中だ。雇用と所得改善を大きく体感できない人たちに世界経済の好調は他人の話にすぎない。韓国は2006年に1人当たり所得2万ドルを達成した。今年は3万2000ドルに入る見通しだ。これは戦争後も草や木の根で腹を満たしていた極貧国が成し遂げた誇らしい歴史だ。それでも中産層すら未来を不安に見ている。