【コラム】「失われた10年」の挽回=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.25 09:10
本当に支離滅裂な歳月だった。統治様式は一本槍そのもので、国政管理は放漫だった。産業化の後光に依存した保守政治の「経済至上」の言術に魂を奪われた時間だった。10年間の保守政治が不安定の峡谷である社会インフラ改革に着手したとすれば、1人当たり国民所得はすでに3万ドルを大きく超えていただろう。韓国人の躍動性は世界的だ。保守政治は経済論理ばかり突きつけた。「成長動力は社会改革から創出される」という世界化時代の命題を放り出した代価は辛い。「二極化と不平等が災害を超え天刑」になった。「失われた10年」だ。
先進国は1人当たり国民所得2万ドル近くで国政パラダイムを「経済」から「社会」に転換した。世界化時代に利益闘争と社会不安定を治癒しなければ経済動力が崩壊するという共感に国運をかけた。勝者と敗者の並存、資源の非対称性を矯正せよというスティグリッツとロドリックの警告はすでに20年前に出された。先進国が非経済領域である労働市場とセーフティネット改革に集中したのはそのためだ。韓国は旧態依然だった。造船業に注ぎ込んだ救済金融を、雇用と賃金、下請け構造改革にも投じたとすれば長期的躍動性が生き返るだろう。