【コラム】積弊でもないが消えていくもの=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.31 16:35
積弊は長期間にわたり積もった弊害だ。「積弊の徹底的かつ完全な清算」は文在寅(ムン・ジェイン)政権の最初の国政課題だ。過去の悪い慣行を清掃しようということに異議はないだろう。ところが最近、積弊でないものが消えたり、よく見えなくなったりしている。均衡財政・構造改革・グローバル・成長などの言葉だ。消えて久しく今ではかすかに記憶に残っていたり(均衡財政)、 「生活の責任を負う政府」の包容的成長政策があふれて社会の関心から遠ざかったり(構造改革)、政府は言及するがなぜか体裁よく包む感じ(グローバル・成長)がする。均衡財政は李明博(イ・ミョンバク)政権後半の核心課題だった。李大統領は2011年8月15日の演説で、2013年に均衡財政という目標を掲げた。グローバル金融危機に対応する過程で減った国の金庫を満たすという意味だった。後世に長く残るよう政権の財政成績表をうまくまとめたいという欲もあったのだろう。
均衡財政が大統領のアジェンダに浮上したことでいくつか問題も生じた。財政を惜しんだところ4大河川事業など国策事業に動員された公企業が苦しんだ。均衡財政ドグマに陥り、景気対応が適切でないという批判も受けた。均衡財政はその時が終わりだった。朴槿恵(パク・クネ)政権は低成長から抜け出すために毎年20兆-40兆ウォン(約2兆-4兆円)の赤字国債を発行した。従来の負債を返済するための発行が多かったが、とにかく歳入より支出が多い赤字財政だった。