【時視各角】積弊清算という韓国のポピュリズム(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.30 14:10
最近の選挙は2つのポピュリズムが支配する。福祉と懲罰(Penal)だ。福祉ポピュリズムは選挙になれば必ず登場するが、今回は特に激しい。大統領弾劾で与党が消えた隙に過去の与党までが加勢した。青年手当制、雇用割当制、基本所得制はもちろん、軍服務1年短縮、家計負債減免、最低時給1万ウォン(約1000円)までメニューも多い。ほとんどが経済学的に論争が終わっていないものや、財政負担だけを増やして失敗する可能性が高いものだ。懲罰ポピュリズムはもともと犯罪学で使う言葉だ。犯罪学者ジョン・プラットは『懲罰ポピュリズム(Penal Populism)』で「犯罪を厳しく扱うべきだというポピュリストの声が高まっている」とし「この人たちの目的は犯罪の解決でなく懲罰自体」と述べた。
懲罰ポピュリズムが政治に移されれば有権者には「甘い懲罰の幻想」を植えつける。懲罰の対象は持つ者、力のある者だ。この時、投票は普段の鬱憤、猜忌・嫉妬の腹いせをする強力な通路となる。政治家は庶民の有権者のこうした幻想をあおって利用するのに天才的だ。先週末フィナンシャルタイムズ(FT)はトランプ大統領を懲罰ポピュリズムの達人として描写するコラムを掲載した。トランプ大統領はメキシコ人を強姦犯、難民をテロリストと言った。ウォール街とワシントンのエリートも懲罰フレームに入れた。いわゆるトランプ版「積弊清算」だ。米国人はそのようなトランプ大統領を選択し、葛藤と憂慮も現実化した。トランプ大統領の就任から2カ月で米国は2つに分かれた。