【社説】文在寅政権の高速疾走を警戒する
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.21 07:55
文在寅(ムン・ジェイン)政権が疾走している。まさに破竹の勢いだ。国政企画諮問委員会が2日前、100大課題として整理した国政運営5カ年計画を発表したが、文在寅大統領の核心公約の多くはすでに推進されている。公共部門の非正規職員の正規職員転換が大統領の1号指示で始まり、脱原発意志は30%の工程が進んだ原発の強制中断につながった。最低賃金1万ウォン(約1000円)時代を開くために来年の最低賃金が過去最大の引き上げ幅で7350ウォンとなり、「積弊清算」スローガンは10年近く死文化した反腐敗関係機関協議会を復元させるにいたった。
一つ一つ見ると名分と論理がある政策だ。同じ仕事をしながらも非正規職員という理由で差別を受ける慣行はなくなるべきであり、一度の事故が災難を呼ぶ原発がなくてもよいのならそれは祝福であり、人間らしく生きる権利は否めない天賦人権であり、腐敗は成長と分配を同時に阻む致命的な社会悪であるのは間違いない。
問題は民主的な手続きと過程が省略され、過度に急いで進行される点だ。社会に及ぼす影響や経済的波及効果を分析して考慮し、補完策を用意するべきだが、あたかも軍事作戦のように強行する雰囲気だ。もちろん改革は執権初期の国政動力が強い時に集中してこそ成功する可能性が高いというのは万古不変の真理だ。3100年前の人物の姜太公も中国最初の統治兵法書『六韜』で「有利な機会を逃せばむしろ災いを呼ぶので、驚いた馬のように疾走して狂風のように強襲しろ」と助言した。