【コラム】本を読む大統領が見たい=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.08 13:54
まず、印刷されたものだけが出版だという偏見。数千年間、紙は人類の文明を刻み後世に伝える器として立派な役割を果たしてきた。そして今も重要な役割を果たしている。出版が紙と近く、そのうえ内容を紙に乗せる印刷と近かった理由は、活用できる最も効果的なメディア形態だったためだ。出版は新しいデジタルメディアを拒まない。その形態が何であれ、電子ブックを含めたデジタル出版も厳密に言えば出版だ。ソウル国際図書展を準備しながら、ウェブトゥーンと電子出版を1カ所に集めようとしたが、その展示と関連した政府の予算は紙メディアとデジタルメディアを厳格に区分・策定されていて並行して進めるには困難が多かった。
もう一つは出版が産業でなく文化活動だという偏見。もちろん出版は文化活動ではあるが、厳密には一つの、それも規模が大きい産業だ。ありとあらゆる金になるコンテンツに他の名前を付けて奪っていったが、依然として4兆ウォン(約3988億円)規模の産業だ。それでも大統領と政府の出版に対する態度は、産業と考えないで芸術ジャンルの一つとして見ている場合が多い。出版と文学を区分できない人もいる。そのため、出版関連の政策はいつもチケットを買ったり芸術家に支援金を与えたりといった類似の形態に留まり、どのようにすれば産業としてこの分野を発展させることができるかを考える人がいない。