【社説】トランプ大統領が予告した貿易戦争に徹底的に備えよ=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2017.01.29 13:08
2番目は貿易・為替戦争の懸念だ。トランプ氏の新孤立主義と米国第一主義は第2次世界大戦以降に唯一の超強大国である米国が主導した自由貿易と世界主義(グローバリズム)を70年ぶりにひっくり返したものだ。トランプノミクス(トランプ経済政策)はかなり以前から準備されており、米中北部のラストベルト(衰退した工業地帯)の貧しい白人労働者の希望を盛り込んだものだが、無理な関税・非関税障壁はWTO提訴など相手国の反発を招くだろう。トランプ氏の貿易障壁は自ら拡大再生産されるほかない構造を持った。国内で続く景気拡張政策は金利引き上げと強いドルをあおり、これによってもたらされる貿易赤字の累積は貿易障壁をさらに高く積み上げるよう助長する。弱肉強食の保護貿易と為替戦争を通じた近隣窮乏化政策がどのような災いを招いたのか、1930年代の大恐慌が証明する。
3番目に、米国の孤立主義から生じた国際舞台の空白はまた別のG2の中国にとって機会になりうる。ダボスフォーラムに初めて参加した習近平国家主席は基調演説で「自由貿易を終息させようとするポピュリスト勢力に対抗し世界化を守る」とトランプ氏に対抗した。北京の外交街では日米主導のTPPに対抗し中国主導で作った東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が弾みをつけるという期待感が作られている。すぐにTPP加盟国であるペルーがRCEP加入に向け中国との協議に乗り出した。インドネシアなど東南アジアの主要国もRCEPに視線を送っている。外交安保では韓米同盟に、経済的には韓中貿易に頼ってきた韓国に東アジアの米中均衡が崩れるのは望ましくない。