【コラム】銅像を建てるのが好きな韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.24 14:40
皮肉にも西欧ではこうした形のモニュメント(記念造形物)に対する反発がすでに19世紀末から始まったということだ。代表的なのがオーギュスト・ロダンの「カレーの市民」(1884-95)だ。
このブロンズ群像は仏カレー市が注文したものだったが、中世の百年戦争当時に英国軍に包囲されたカレー市の一般市民を救うために、英国王に命を捧げることを志願して城門を出た6人の指導層の市民を称えるためのものだった。しかし完成されたロダンの作品を見てカレー市議会は激憤したという。ロダンが死にも超然とした英雄の姿ではなく、恐怖と苦悩に満ちた人間の姿を作ったからだった。さらに破格的なのは、高い石台の代わりにほとんど地面と差がない平たい石台を使い、権威を高めるのではなく観覧客とともに呼吸するように作ったものだった。結局、この群像がカレー市庁の前に設置されたのは完成から30年が過ぎた後であり、今では傑作として認められている。