【社説】映画『徳恵翁主』の歪曲議論、韓国史研究の新たな踏み台に(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.08.21 13:13
だが徳恵翁主は日本植民統治の徹底したスケープゴートだった。英親王と同様に日本に強制的に連れて行かれて日本人と結婚し、孤独と病魔の歳月に耐えなければならなかった。祖国独立運動を助けたという証拠もない。朝鮮を強制併合した日帝は大韓帝国皇室を李王家に格下げし、日本の宮内省傘下に李王職機構を作って朝鮮皇族を管理・統制した。日本と朝鮮は一体という内鮮一体を合理化する道具にも使った。
『徳恵翁主』は韓国の近現代史研究に新たな課題を残した。事実徳恵翁主という人物を生き返らせた人は日本の女性史研究家の本馬恭子氏だ。本間氏は1998年に徳恵翁主評伝『徳恵姫-李氏朝鮮最後の王女』を出し、この本は10年後に韓国で『大韓帝国最後の皇女徳恵翁主』という題名で翻訳された。2009年に100万部を超えて売れたクォン・ビヨンの小説『徳恵翁主』もこの本を参考にし、映画制作スタッフはベストセラー『徳恵翁主』を原作とした。上海臨時政府を経て大韓民国のルーツとなった大韓帝国に対する韓国の研究がそれだけ不十分だという証拠だ。