【コラム】北京で崩れる北朝鮮崩壊論(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.06.10 16:10
オバマ米大統領が先月、米国大統領としては16年ぶりにベトナムを訪問し、ベトナムに対する米国の武器輸出禁輸措置を解除した。南シナ海で中国と対立するベトナムを、カーター国防長官がシャングリラ対話で言及した米国中心の安全保障ネットワークに編入させる具体的で確実な措置だ。中国は緊張している。それだけ中国に対する北朝鮮の戦略的価値は上がる。こうした絶妙な時期に、北朝鮮の外交担当政治局委員の李洙ヨン(イ・スヨン)労働党副委員長が北京を訪問し、習近平国家主席に会った。習近平主席が李洙ヨン副委員長に述べた言葉はあいまいだ。「関連当事国が冷静と自制を維持し、対話と疎通を強化し、地域の平和と安定を守ることを望む」。関連当事国には韓国も米国も含まれる。北朝鮮の核・ミサイル問題には一言も言及しなかったという。中国が言葉では北朝鮮に対する安保理制裁に徹底的に参加すると述べながらも、いつ制裁から手を引くか分からない。
米商務省も北朝鮮に対するセカンダリーボイコットとして北朝鮮を「主要マネーロンダリング懸念対象国」に指定した。第3国の金融機関のドル基盤為替取引まで防ぐ措置だ。これは北朝鮮の最大貿易国である中国を狙ったものとみられる。また商務省は中国最大通信装備企業の華為(ファーウェイ)に北朝鮮など制裁対象国との取引内訳を提出するよう要求した。米国の技術が入った華為の製品が北朝鮮に輸出されるのを防ぐためだ。こうした措置をオバマ大統領の訪問と同じ器に入れれば、米国は中国圧力の強度を高めていることが分かる。なおさら北朝鮮の価値が上がり、制裁下でも余裕が生じる。