<韓国ポスト総選挙、今こそ経済だ>13年前に韓・日に造船業を奪われたスウェーデン…現在は?(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.04.28 14:18
スウェーデン南部の港町マルメには54階建てのツイスト型ビルがそびえる。この都市の名物「ターニング・トルソ(turning torso)」だ。ビルが建設される前、その場所には造船所と大型クレーンがあった。2003年に韓国の現代重工業にわずか1ドルで売却された大型クレーンがその主人公だ。解体の場面を涙を流しながら眺めた市民の喪失感をなだめるためだったのか。マルメ市は以前のクレーン(128メートル)の高さをはるかに上回る190メートルのビルを2年で完工した。
しかしターニング・トルソは単なる代替物ではない。地上から最高階まで90度ねじれた形のビルが建設された頃からスウェーデンは産業戦略を大転換した。まず、競争力を失った造船産業に投入してきた財政と金融支援を中断した。造船所が閉鎖されると、都市人口の10%の2万7000人が路上に追い出された。その代わりに、造船業の延命のために注いできた財源を再生可能エネルギー・情報技術(IT)・バイオなど有望な新産業に集中投入した。太陽熱・風力など再生可能エネルギーを主要エネルギー源として使うターニング・トルソは産業戦略大転換の象徴だった。20世紀の製造業に代わる21世紀の新しいビジョンの表象ということだ。これに先立ち隣国デンマークのコペンハーゲンとつなぐ7.8キロの橋も建設した。大規模な公共投資は増えた失業者を吸収し、都市の経済圏も広がる「一石二鳥」の効果をもたらした。