【中央時評】トランプが流した同盟の真実=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.04.11 13:19
果たしてそうか。むしろこれは我田引水に近い。トランプを「ポピュリズムに便乗する政治ピエロ」程度で片付ければ気持ちは楽だ。彼の外交政策公約もやはり選挙シーズンの一時の修辞学として無視すればそれだけだ。しかし彼の話には率直な米国の底辺の民心がそのまま敷かれている。ニューヨークタイムズのコラムニストであるロジャー・コーエンが指摘したように、不平等の深化と崩壊した福祉政策、消えていく中産層、乱舞する金権政治、雇用の海外流出、急増する青年失業、反移民感情、社会的排除と二極化などがひとつに重なりトランプ式の孤立主義外交政策に肥沃な土壌を提供しているのだ。
「世界の中の米国」の代わりに「米国優先主義」を望む感情は保守陣営に限定されない。バーニー・サンダースを支持する青年有権者、労働者階層、さらに中産層からも「日々の暮らしも大変なのになぜ他の国に軍隊を派遣し天文学的国防費を使うのか」という声が高まる。サンダース候補の主張通り、教育、医療、社会福祉部門に対する予算を支出するには国防費の果敢な削減は避けられない。韓国を含む同盟国に対する安保公約履行が難しくなるだろうということは極めて自明な道理だ。このように孤立主義への回帰を左派陣営も熱望しているという話だ。