【コラム】「失われた10年」「忘れたい10年」=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.03 08:09
過去8年間に後退したのは経済だけでない。朴槿恵政権は対北朝鮮政策で平和統一の基盤構築を目的とする韓半島(朝鮮半島)信頼プロセスを主張した。金剛山(クムガンサン)観光中断以降ふさがった南北関係に新たな突破口が用意され、南北の緊張が緩和すると期待した。しかし北朝鮮は核実験と衛星打ち上げを実施し、朴槿恵政権の平和統一政策は「北崩壊論」に変わった。国際関係専門家の金永熙(キム・ヨンヒ)論説委員(中央日報2月26日付コラム)は「我々には戦争でなければそのような(北を崩壊させる)手段がない。戦争は国民も反対し、戦争遂行にその支援が必須の米国も軍産複合体を除いては韓半島の戦争に再び介入する事態を望まないだろう」と分析し、「北崩壊論は非現実的な幻想」と断言する。韓国政府は国際社会の対北朝鮮制裁措置と米国と中国の力比べを見つめるだけで、自ら取れる対北朝鮮政策手段はなく、北朝鮮崩壊という幻想にすがっている状況だ。
「失われた10年」、金大中・盧武鉉政権の10年をセヌリ党はこう表現した。しかし李明博・朴槿恵政権の8年間は、国民の暮らしも財政も自分たちが嘲弄した金大中・盧武鉉執権当時と比べて非常にみすぼらしい。南北の緊張はいつよりも高まり、政界だけでなく社会のあちこちで対立と葛藤の連続だった。今のような経済・政治・社会・対北朝鮮状況が続けば、李明博・朴槿恵政権の10年は何と呼ぶのだろうか。