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<フィリピン「Kクライム」現場を行く>(上)現地在住韓国人が被害者…生意気な態度が犯罪呼ぶ(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.01 14:22
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韓国国内の地方大の教授だったパクさん(68)はフィリピン・マニラ近隣カビテ州に「セカンドハウス(別荘)」を持った。7年前に引退した後、毎年数カ月間はフィリピンに滞在し、ゴルフなどを楽しんだ。家族もよく遊びに来た。しかし幸せな老後生活は長く続かなかった。先月22日、自宅で刃物で刺され、死亡した。

現地に派遣された韓国警察庁の捜査官5人は防犯カメラの映像を分析した。事件発生時点にパクさんの家を出入りした20代のフィリピン人女性Aを有力容疑者として逮捕した後、殺人の動機などを調べている。

 
2000年代半ばまで「K-POPブーム」の震源地だったフィリピンが、この数年間に韓国人殺害事件が相次いだことで「犯罪の地」と認識されている。2013年以降、フィリピンで命を失った韓国人は34人(30件)。毎年10人以上も死亡している。フィリピンで20年間にわたり事業をしてきたキムさん(50)は「K-POPの代わりにKクライムという言葉を使わなければいけないほど」と語った。年間120万人にのぼるフィリピン観光客の恐怖も深まると予想される。

しかし中央日報が警察庁と外交部の支援を受けて先月1日から5日間、フィリピンのマニラ・アンヘレスを現地取材し、2013年から3年間に発生した韓国人殺害事件を全数調査した結果は意外だった。この期間に殺害された韓国人34人のうち観光客は一人もいなかった。33人はパクさんのような「ローカルコリアノ」(Local Koreano=フィリピンに定着し、現地人のように暮らす韓国人を意味するタガログ語)だった。残りの1人は昨年フィリピンにいる息子の家に行き、2日後に拉致、殺害されたホンさん(74)だ。

分析の結果、被害者の平均フィリピン滞在期間は7.3年、平均年齢は48.7歳の男性だった。職業は自営業者が64.7%(22人)だった。マニラ所在のコリアンデスク(フィリピンに派遣された韓国警察)で勤務中のソ・スンファン警正(39)は「韓国人殺害事件のうち観光客の被害者はなく、現地定着韓国人が被害を受けている」とし「殺害の動機も15件が事業上の争いや金銭をめぐる恨みだった」と説明した。

実際、昨年12月20日にフィリピンのバタンガス州で銃で撃たれて死亡したチョさん(56)は約20年前にフィリピンに定着した韓国人第1世代だ。建築・賃貸業をする自営業者だった。また30件のうち20件の犯行道具が銃器だった。フィリピンで銃器所有は合法だが、違法銃器も100万丁以上流通しているという。

請負殺人事件の背後人物が検挙されない理由について、在フィリピン韓国大使館のホン・ドッキ治安領事は「ガンマン(Gunman、殺人請負業者)は捕まっても金銭的な支援が続けば背後人物を明らかにしないため」と説明した。


<フィリピン「Kクライ肃」現場を行く>(上)現地在住韓国人が被害者…生意気な態度が犯罪呼ぶ(2)

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