【時視各角】三つ子の金融教育八十まで=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.12.10 13:34
危機の瞬間に生死を分けるのは教育だ。古い逸話がひとつある。「英エディンバラ市のオペラ劇場で火災が起きた。観客は叫びながら出入口に殺到した。劇場は修羅場になった。その時指揮者が楽団に国歌を演奏しろと言った。国歌が聞こえてくると観客は落ち着きを取り戻した。秩序正しく出入口へ向かった。全員が安全に避難した」。
19世紀の英国のオペラ劇場は火災が頻繁だった。ロウソクの灯りを照明にしており、ともすれば火事が起こった。1797年から100年間に火事が起きたところだけで1100カ所だ。最大の死亡者を出した1887年の英エクセターロイヤル劇場の火災は188人の命を奪った。一斉に逃げ互いに下敷きになり死んだ人が多かった。ロンドン市は防火施設を強化し出入口を拡大するなど消防法を変えた。観客には「秩序が命を救う」という教育をさせた。いくらエディンバラ劇場の国歌演奏でも普段の教育がなかったなら意味を成さなかっただろう。