【時論】韓日FTAは韓国の“神の一手”になれる(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.11.04 09:24
これまで韓国政府の公式的な立場はTPP12カ国のうち日本とメキシコを除く10カ国とFTAを締結しているためTPP参加の実益は大きくないというものだった。だがTPPの累積原産地規定で韓国が逃したものは12-10=2よりはるかに大きい。韓国と日本は原材料と部品を東南アジアに輸出し、東南アジアで生産して米国に輸出する生産分業構造を持っている。日本企業がTPPに加入した東アジア諸国との累積原産地を使って輸出市場を拡大するのに韓国企業は2国間FTAに依存するならどちらが不利かは自明だ。日本のTPP参加はこの10年余りに韓国がようやく構築してきたFTA経済外交網を一瞬にして揺るがす“神の一手”だ。
国内政治、中国よりさらに決定的な理由は日本とのFTAに対する負担感のためだ。韓国は2004年11月に日本とのFTA交渉を中断してから再開の糸口を見つけられずにいる。韓日FTAに対する韓国国内の反対のためだ。持続的な対日貿易赤字という状況で日本より関税率が高い韓国が日本とFTAを結ぶことになれば不利だとの主張が大手を振って歩く。その論法通りなら韓国ははるかに関税率が低い米国や欧州連合(EU)とはなぜFTAを結んだのか説明する方法がない。日本との競争を恐れたというなら現在の韓流熱風は可能だっただろうか。減らせば韓国映画が滅びると言っていたスクリーンクォータの場合、2006年に半分に減らしたが韓国映画はさらに強くなりさらに多様化した。