【時論】フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルは蜃気楼だった(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.12 13:17
フォルクスワーゲンとアウディが想像もできない問題を起こした。不正でディーゼルエンジンの環境基準を合わせたのだ。自動車専門家ならばほとんど全員がフォルクスワーゲングループが最も望ましい戦略を駆使する会社と称賛した。ベントレー、ランボルギーニ、ポルシェ、アウディのような高級ブランドからフォルクスワーゲンのような中級ブランド、セアトとシュコーダのような一般ブランドを備えているためだ。自動車メーカーは1モデル当たり3000億ウォンから4000億ウォンの開発費がかかる。したがって販売台数と1台当たり利益が会社の競争力を決める。韓国の自動車はまだ量的競争をしている。たくさん売らなければならない。それでこそ開発費を回収して利益を残し再投資することができる。
しかしフォルクスワーゲングループは量的競争力と質的競争力を備えている。同じプラットフォームでフォルクスワーゲンブランド車両を作ってたくさん売り、アウディブランドとして出して高い利益を出せる会社だ。韓国の自動車メーカーは残念ながらこうした構造を備えられずにいる。さらに米国と日本の自動車メーカーもこうした面で弱い。フォルクスワーゲンが結局世界1位を占めるだろうと専門家らが主張した根拠だ。
ところがこうした一流企業が不正をしたというから信じられない。さらにフォルクスワーゲンはブルーモーションというスローガンの下でクリーンディーゼルを掲げた会社だ。しかしフォルクスワーゲンとアウディの車両からクリーンではなく汚い欺瞞の排気ガスが出ていたのだ。ドイツの自動車メーカーは品質と妥協をせず原則を順守する会社として定評があった。ゆえに今回の問題が私たちに与える失望はさらに大きい。町内で法律がなくても生きられる人だと評判が立っていた人が詐欺を働いたのと同様だ。一部ではフォルクスワーゲングループの上意下達式の独善的経営方式を批判したりもする。おそらく今回の問題は偽計文化に一流企業の傲慢が加わって始まった惨事ではないだろうかと思う。