辛会長の健康問題をめぐる論議とは関係なく、今回の事態に関連し、辛会長が今後どんな決断をするかが依然として大きな関心事だ。

辛東主－辛東彬の兄弟間で展開されるグループ持ち株会社（ロッテホールディングス）の株式確保競争に劣らず、辛会長の意中と保有株の贈与が少なからず変数となる公算が大きいからだ。

実際、ある神経精神科専門医は電話で、「認知症でなくても９０代半ばなら昔の記憶を呼び起こすことは可能だが、新しい情報を入力して分析した後に意思決定をする高度の脳活動は不可能だ」と話した。しかし匿名を求めた国内大型ローファーム所属の弁護士は「高齢といっても精神的に制約を受けている状況で出した意思決定という点が立証されれば、保有株の贈与や譲渡はひとまず適法だと解釈される」と述べた。また「病気・障害・老齢などによる精神的な制約があり、自ら意思決定をする能力がない場合、裁判所が代わりに意思決定をする人を選定する『成年後見人』制度を利用できるが、財閥家でこうした申請を公開的にするのは難しいだろう」と述べた。辛会長の心身は以前とは違うが、依然として今回の事態の結末に少なからず影響を及ぼす可能性があるということだ。


＜ロッテ経営権紛争＞「ワントップ」のカギ握る総括会長の健康は？（１）